俺の波瀾万丈な人生を振り返る
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※かなり長いです
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:04:34.55 ID:cespaxp50
『たまご』
小学校5年生の時、こうみんなから呼ばれてイジメられてた女の子がいた
名前はチカ。ビン底メガネをかけたぽっちゃり体系の女の子
もともと大人しくてクラスでも目立たない子
先生「みんな、明日必ずオシッコとぺったんシール持ってこいよー」
オシッコとは尿検査、ぺったんシールはぎょう虫検査のことだ
数日後、チカは、ぎょう虫検査で再検査になった
そして、その情報をクラスのひとりの男子が知って、みんなに言いふらしたのだ
そしてついたあだ名が『たまご』
4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:07:04.06 ID:cespaxp50
結局チカは、陰性だったわけだが、そんな事実はすでに関係ない
「うわーうつるーー!」「汚ねーから近寄んなよ!!」
実質、いじめてたのは5人ぐらい。イジメの中心にいたのがクラスのボス
あとは、女子も含めて見て見ぬふり。俺も、その見て見ぬふりの中の1人
イジメはエスカレートしていった
教科書や上履きを隠したり、給食の班の輪に入れなかったり
授業中、ノートにクラス全員の名前が書いてあって、その下に
ぎょう虫がいる人は、○を付けてください。って紙を回したり
6 1 2007/09/29(土) 19:10:25.46 ID:cespaxp50
そんなある日、イジメが始まって3ヶ月ぐらい過ぎた頃
掃除の時間に、イジメ軍団がチカの机を汚れたモップでこすっていた時
1人の男子が「もうそういうのやめろよ」って言った
周りの空気が一瞬止まった
次の日から、イジメの対象が1人から2人になった
男子へのイジメは凄まじかった。ドッチボールで顔面におもいっきり
ボールを当てたり、プロレスごっこしよーぜって言って殴ったり蹴ったり
俺も心の中では良くないってわかっていたものの、実際にイジメの現場を
目の当たりにすると、とても止める勇気を持つことはできなかった
俺に出来る精一杯は、隠された物の在りかをこっそりと教えてあげる事ぐらいだった
8 1 2007/09/29(土) 19:14:04.82 ID:cespaxp50
そして小学校を卒業し中学生になった
イジメられてた男子は、同じ中学にはいなかった
私立に行ったのか転校したのかはわからない
俺はチカと同じクラスになった。運悪いことにボスも一緒のクラス
やはりイジメは続いた
ボスは、瞬く間に不良になっていった。1学期が終わる頃には、髪の毛が金髪で
ボンタンに短ラン。不良グループの先輩達ともつるんでいる状態
もう先生ですら見て見ぬふり。俺も火の粉が自分に降りかからないように
そういう風に考えて過ごしてた
10 1 2007/09/29(土) 19:16:46.62 ID:cespaxp50
中学1年の2学期、席替えでチカと隣の席になった
週に1回の漢字テストの時間。問題を全部解き終わってボーっとしていると
隣で『ビリッ』と紙の破れる音。何気なく見てみると、チカが消しゴムを
忘れたらしく指で回答を消していた。俺は自分の消しゴムを半分ちぎって
チカの机の上に置いてあげた
そのことがきっかけでチカと少しずつ話すようになっていった
ボスは授業をさぼることが多く、イジメも以前ほどではなくなっていた
2学期の半ばが過ぎた頃には普通に会話をするぐらいになっていた
11 1 2007/09/29(土) 19:20:16.87 ID:cespaxp50
しばらく経った11月の終わりぐらい、昼休みの時間。
俺の唯一の友達、トシが俺のところに来た。ボスが呼んでるよって
一言で言うと、身の危険を感じた。
恐る恐る待っていると教えられた場所に行ってみると、そこには
違うクラスの男2人とボスがいた。
ボス「おまえ、なにチカと仲良くしてんだよ!俺を裏切んのか?」
裏切るもなにも・・・と思ったが当然言えない。
脳裏に小学校の時にイジメを止めた男子の事がよぎった。すごく怖くなった。
俺「べつに仲良くなんてしてないよ」
実際に仲良くしてるわけじゃないし。俺は心の中で自分を正当化させた
12 1 2007/09/29(土) 19:23:53.48 ID:cespaxp50
するとボスは
ボス「じゃあよ、これをチカのカバンの中に入れろよ!」
って言ってビニール袋を渡された。ニヤニヤしてる顔がまさに悪魔
何これ?って中身を見てみると、そこには、ねずみの死骸が入っていた。
俺は、びっくりして袋を落としてしまった
ボス「できるだろ?やらなきゃわかってるよな?ん?」
俺は了解する以外なかった。怖くて、この場から今すぐ逃げたくて。
袋を持って教室に帰ろうと歩く後ろから「ちゃんと袋から出せよー」の声。
俺は教室に帰ってすぐ自分のカバンに袋をしまった
13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:26:12.29 ID:powxZYtVO
ここで>>1の人間性が問われる
がんがれ
14 1 2007/09/29(土) 19:26:23.82 ID:cespaxp50
そんなひどいことは出来ない。でもやらなきゃイジメられる。
やるしかない。いや、だめだ。やろう。だめだ。 ・・・・・・
残された時間はもうわずか。どうしよう。どうしよう。どうしよう
気が狂いそうな葛藤。何度も気が遠くなった
やってしまった
16 1 2007/09/29(土) 19:28:57.24 ID:cespaxp50
5時間目が終わり、6時間目は音楽の授業
休み時間にみんな音楽室に移動する。俺も移動した
歩いてると、トシが俺のとこにやってきて「さっき、大丈夫だった?何かあったの?」
歩きながら俺は「平気。別に何でもなかった」って言って、忘れ物したから
ちょっと教室に戻るって言って、トシに教科書とリコーダーを渡した
そして急いで戻った
17 1 2007/09/29(土) 19:31:42.17 ID:cespaxp50
教室に戻ると女子が2人残っていた。しばらくして女子が出て行くのを
確認して教室に入った。急いで自分のカバンから袋を取り出した
そして、机の横に掛かっているカバンのチャックをそっと開けた
うわっ、汚ねえ。しかも臭い。なんだこの匂い・・・タバコ?
その中に押し込むように袋ごと入れてチャックを閉じた
そう。俺が入れたのは、チカのカバンじゃなくボスのカバン
なんでこんな行動をとったのか自分でもわからない
18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:32:28.80 ID:powxZYtVO
GJ!
>>1はやればできる子
19 1 2007/09/29(土) 19:33:36.05 ID:cespaxp50
このあとは予想通りの展開です。
ボス「放課後ちょっとツラかせよ!逃げんじゃねーぞ」
呼び出されたのは、学校を出てすぐのところにある公園
覚悟はしてたが、やっぱり怖かった。先生に言おうとも思ったのだが
言わなかった。ホント、無謀というかただの馬鹿
21 1 2007/09/29(土) 19:36:55.99 ID:cespaxp50
公園に着くと、ボスを含め5人いた。内2人は先輩だった
「てめぇ、よくも裏切りやがったな」ボスが近づいてきた
胸ぐらを捕まれて、いきなり顔面に1発。俺は倒れこんだ
頭を踏みつけられた。同時に背中を蹴られた。俺は頭を抱えて丸くなった
顔、頭、肩、腕、腹、背中、足
痛い。激痛が走る。早く過ぎ去ってくれ。目をつぶってじっと耐えた
何で俺がこんな目に合わなきゃいけないんだ!何で!
屈辱感みたいな感情でいっぱいだった
どれぐらい経ったんだろう
23 1 2007/09/29(土) 19:40:44.01 ID:cespaxp50
あれ、痛くない。体がふわふわする。暖かい、何だこれ
俺、死んじゃったのかな? あはは、なんか気持ちいいや
ここはどこ?真っ白。霧がかかっててよく見えないよ
きぃぃ・・・・きぃぃ・・ア・・きぃー・・・アキィィ・・アキ!!
だれ?誰かいるのか? 呼んでる・・・俺の名前・・・
聞き慣れた声・・・・・お母さんの声だ!
目を開けると母親がいた。それとともに全身に激痛が走った
「あが・あがっ・・」悶えた。母親は涙を流してた
母親の顔を見ると安心したのか、俺も泣いてしまった
25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:42:01.53 ID:powxZYtVO
なんか切なくなってきた
26 1 2007/09/29(土) 19:42:34.10 ID:cespaxp50
どうやら俺は救急車で病院に運ばれたらしい
鼻骨ヒビ、左足首ヒビ、肋骨2本骨折、全身打撲
全治3ヶ月。入院1週間ということらしい。ひどくやられたもんだ
27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:43:32.61 ID:powxZYtVO
これはひでーな
30 1 2007/09/29(土) 19:45:34.88 ID:cespaxp50
翌日の午後、担任が見舞いに来た。
怪我大丈夫か?話せるか?って聞かれて、「はい」と答えると
「うちの生徒が、昨日公園で、○○が他の学校の生徒数名にやられているのを
見たと言っているんだが、そうなのか?本当か?」
なるほどね。そういうことか。すぐに理解した。
「わかりません。いきなり殴られて倒れちゃったんで」って答えた
その後も、どこの学校かわかるか?とか、覚えてる顔はないか?
とか、いろいろ質問されたけど、全部わかりませんって答えた
なんで本当のことを言わなかったんだろう
もっとひどい目に合うと思ったんだろうか
31 1 2007/09/29(土) 19:49:03.09 ID:cespaxp50
警察もきた。担任と同じことを聞いてきたから同じように答えておいた
傷害事件として調べるから、何か思い出したら連絡くれと言われた
入院3日目にトシが見舞いに来た。包帯とガーゼだらけの顔を見て絶句してた
学校で結構大きな問題になったみたいだ。臨時の全校集会があったらしい
ひと通り学校でのことを話してくれたあと、単刀直入に聞かれた
「本当はボスにやられたんだろ?変な袋をボスのカバンに入れたから」
はっ?なんで知ってんの?思わず口にしてしまった
トシには正直に全部話した。
32 1 2007/09/29(土) 19:52:23.72 ID:cespaxp50
トシは、俺が昼休みにボスに呼ばれて、チカのカバンにねずみ死骸を
入れろと言われたところを見てたらしい。その後、その袋をボスのカバン
に入れたのも。
放課後、危ないと思い俺を探したが、見当たらなかったと。
「ごめん」って謝られた。
俺は、何て言っていいかわからず黙り込んでしまった
しばらくして、「トシのせいじゃないよ」とだけ言った。
すると、トシが突然、もう1人どうしても謝りたいってやつがいて
連れてきたからちょっと待っててと言って出て行ってしまった
35 1 2007/09/29(土) 19:55:28.06 ID:cespaxp50
トシの後ろから下を向きながら入ってきたのはチカだった。
すでに泣いている。俺の前に来て「私のせいでごめんなさい」と一言。
予想外な展開で頭が混乱したが、とっさに出てきた感情は怒りだった
俺「ごめんなさいってなんだよ!別におまえのせいじゃねーよ!
それにおまえの為なんかじゃねーよ!勝手に勘違いすんなよ!」
トシが慌てて止めに入った。
しばらくトシに諭されて少し冷静になった
チカは泣いてる。空気がものすごく重い。
俺はチカに、ごめん。言い過ぎたって謝った。
そして2人にお願いした。
このことは先生にはもちろん、誰にも言わないで欲しい
3人だけの秘密にして欲しいと。トシはしぶしぶだったが了解してくれた。
37 1 2007/09/29(土) 19:57:48.29 ID:cespaxp50
退院の日、母親が迎えに来てくれた。
松葉杖をついて、腹にサラシみたいなのを巻いて。力を入れるとまだ激痛が走る。
顔の腫れは、ずいぶん良くなった。それでも鼻と左目の上にガーゼを被せてた。
なんとも弱々しい姿。でも、やっと開放されたと思うと無性にうれしかった。
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:58:09.02 ID:4sT/nKWF0
>>1がすごくかっこいい
39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:59:53.10 ID:adiSoVpkO
>>1になら抱かれても良い|ω・`)
41 1 2007/09/29(土) 20:01:04.66 ID:cespaxp50
夜、父が帰ってきて久しぶりに3人で夕飯を食べた
食べ初めてしばらくすると、父がそっと箸を置いた
父「おまえ、本当は学校でイジメられてるんじゃないのか?」
たぶん母が言いたかった言葉。でもずっと聞けなかった言葉
父「もしそうなら正直に言って欲しい。そうすれば引っ越すことだってできる」
俺「何言ってんの?そんなわけないじゃん。心配しなくて大丈夫だよ」
本当か?ともう一度確認されたので、うん。と答えた
父は、そっか、わかったと言って、以来その話題には触れなかった
久しぶりに食べた母の手料理は、ちょっぴりしょっぱかった
44 1 2007/09/29(土) 20:07:02.83 ID:cespaxp50
退院後もしばらく学校を休んだ。松葉杖での日常生活にまだ慣れてないのと
やっぱり不安だったから。怖いといった方が正しいかな
3日後、担任が家に来た。
俺を見るなり、「おっ、だいぶ男前の顔に戻ったな」と笑顔で言った
母親が居間に通して、テーブルを挟んで向かい合わせに座った
担任「調子はどうだ?そろそろ学校に来れそうか?」
俺「はあ・・そうですね・・・」
担任「松葉杖のことは心配するな。みんなに協力するように言っておく。
席も窓際の一番後ろに替えるから大丈夫だぞ」
とりあえず両親と相談すると伝えた。
先生はきっと、俺がこのまま登校拒否するんじゃないかと心配だったんだろう
でも先生、窓際の一番後ろの席はボスの席なんだよなぁ・・・
46 1 2007/09/29(土) 20:09:20.41 ID:cespaxp50
その夜、両親に学校に行くことを告げた。母親は最後まで反対してた。
2学期ももう終わりだから3学期からでいいんじゃないかと。
でも結局行くことで合意した。次の日、母親はその旨を担任に電話した
喜んでいたらしい。俺もその夜、トシに明日から学校行くと電話した
47 1 2007/09/29(土) 20:11:29.27 ID:cespaxp50
次の日、緊張してたせいか早くに目が覚めた。
行くと決めたが、やはり不安でいっぱい。母親が用意してくれた新しい制服。
ズボンをはこうとしたがギブスで足が通らない。ジャージで行くことにした
心配そうに見ている母親に元気良く「いってきます」と言い、早めに家を出た
家の前にトシがいた。迎えに来てくれたみたい
49 1 2007/09/29(土) 20:14:23.28 ID:cespaxp50
学校に近づくにつれ心拍数があがっていくのがわかった。
トシがいなかったら引き返していたかもしれない
他の生徒に見られてる気がする。まあ松葉杖でジャージだから仕方ないか
学校に着くと、下駄箱で担任が待ってくれていた。
不便だからスリッパを履けと下に置いてくれた。下駄箱に右足だけの靴を
しまって、2人に支えられ階段を上って教室の前に着いた
すごく緊張した。
「ガラガラ」 担任がトビラを開けた。
50 1 2007/09/29(土) 20:17:24.04 ID:cespaxp50
生徒は半分もいなかった。そっか、早めに出たんだった
でもみんな俺を見てる。まるで幽霊でも見てるような顔で
担任に誘導されて窓際の一番後ろの席に座った。なんかイヤな予感・・
時間が経つにつれ生徒が次々に教室に入ってくる。
「おっ!久しぶり」「もう平気なの?」「痛そう」「ちょっと松葉杖貸して」
気づいたら俺の周りにちょっとした人だかりが出来ていた。
今までにない経験。少しうれしかった
そしてボス登場。
目が合った。その瞬間、背筋が凍った。あの日が脳裏をよぎる。怖い・・・
近づいてくる。俺とボスとの直線上を開けるように人だかりが割れた
52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 20:18:16.13 ID:powxZYtVO
ちょっと松葉杖貸して
あるある
55 1 2007/09/29(土) 20:21:50.61 ID:cespaxp50
「よお」
最初の一言はこうだった。俺はびびりながらも、おはようって返した
ボス「なーんだ、元気そうじゃん。てっきり死んだのかと思ったぜ」
返す言葉がない。黙り込んだ。
ボス「他の学校のヤツらにやられたんだって?俺が仕返ししてやろうか?」
腹が立つと言うより、やっぱり怖かった。
「いいよ。もう平気だから」って答えた。
直後に担任が再び教室に入ってきた「HRやるぞー席に着けー」
同時にみんな自分の席に戻った。なんとか乗り切ることができた
56 1 2007/09/29(土) 20:23:53.72 ID:cespaxp50
その後、予想外にボスは俺に絡んで来ることはなかった
1回だけ、休み時間に俺のとこに来て
ボス「おまえ、センコーとか警察に言わなかったんだろ?」
俺「誰にも言ってないよ」
ボス「じゃあ俺を裏切ったことは、この前のでなしにしてやるよ」
こんなやり取りがあっただけ。なんか拍子抜けした
俺に怪我を負わせたことに多少なりとも責任を感じているのかなと思った。
でも違った。真相はすぐに明らかになった
59 1 2007/09/29(土) 20:27:02.68 ID:cespaxp50
放課後、トシと一緒に帰った。そして帰り道、公園に寄った
トシ「ボスはたぶんもう大丈夫だよ」
俺は、???って顔をした。
詳しく聞いたら、2年に柔道部の主将がいて、この主将は先輩ヤンキー達も
一目置いている存在だという。学校で一番強いらしい。
主将→先輩ヤンキー→ボス という感じで手を回してくれたとのこと。
でもひとつ疑問。トシと主将の関係は何?
聞いてみると、トシには3つ上に兄貴がいて、
その兄貴の親友が元柔道部の主将だったらしい。
今の主将の先輩というわけだ
まとめると、トシ→兄貴→親友(元主将)→今の主将→先輩ヤンキー→ボス
トシは俺が入院中、兄貴に頼んでくれてたみたい
61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 20:28:33.65 ID:4kACKwL20
トシがイイ奴過ぎて泣いた
62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 20:30:03.99 ID:GxU6mbzI0
トシいい男すぎだろw
63 1 2007/09/29(土) 20:31:59.43 ID:cespaxp50
それを聞いてすごくうれしかった。
イジメ云々より、俺のためにそこまでしてくれたことが何よりうれしかった
トシが、明日柔道部の主将にお礼に行くと言ったので、俺も行くと言った
次の日の放課後、2人で道場に行った
主将は、坊主頭でごつくてでかい。いかにも強そうだった
トシは、主将にお礼を言った。俺も続けて頭を下げた。主将は俺を見て
主将「怪我は大丈夫か?俺はあんまりこういうのは好きじゃないが、今回は特別な。」
俺「はい。ありがとうございました」
主将「それにしても、おまえは見るからに弱々しいな。
男だったら自分の身ぐらい自分で守れよ。」
圧倒された。1つしか違わないのに・・・
なんか自分がすごく情けなく思えた。そう思うと涙が出た
65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 20:32:55.24 ID:4kACKwL20
主将もイイ奴
66 1 2007/09/29(土) 20:35:05.69 ID:cespaxp50
2学期が終わり、年が明け3学期が始まった
みんなの支えもあり松葉杖での学校生活をなんとか乗り切った
このことがきっかけで俺にも友達が少し増えた
チカに対するイジメもいつの間にかなくなっていた
順調な学校生活を送っていたのだが、俺の心はいまいち冴えない
主将に言われた言葉が俺の頭から離れない
もうあんな思いはしたくない。
俺も強くなりたい。変わりたい
心の中で強くそう思うようになってた
68 1 2007/09/29(土) 20:37:59.32 ID:cespaxp50
2月になった。怪我は完治した。俺は柔道部の入部を決めた
父は喜んでくれた。母は相変わらず心配そうな顔をしてた
トシにも言ったが、練習がきついから続かねーぞって冷やかされた
俺は、幽霊部員だった卓球部に退部届けを出して、その足で柔道部の
顧問のところへ行き、入部届けを出した。
まず仮入部して、しばらく見学してから決めろと言われたが
やります、もう決めました。と言って入部した
翌日の放課後から参加することになった
72 1 2007/09/29(土) 20:42:09.30 ID:cespaxp50
その日、床屋に行って、耳ぐらいまであった髪を坊主にした。
翌日学校に行くとみんなに笑われた。一休さんみたいって言われた。
放課後、道場に行った。主将に今日からお世話になりますって挨拶した
主将は俺のこと覚えててくれた。きついけどがんばれって言ってくれた
そして、これに着替えろと使い古した柔道着と白の帯をくれた
練習は予想以上にきつかった。ランニングから始まり、ストレッチ、
受身、組み手、乱取り、ランニングというのが通常のメニュー
俺は、ランニングとストレッチと受身のみ
最初のランニングですらついていけなかった
73 1 2007/09/29(土) 20:44:27.01 ID:cespaxp50
入部後数日が過ぎた
慣れない運動で全身の筋肉がパンパン。歩くのもきつい
先輩達と練習している同じ1年生の姿を見て、すごく悔しかった
俺も早く追いつきたい。そして俺も強くなりたい
俺は部活の練習以外に自主トレすることを決めた
5キロのランニング。腕立て、腹筋、スクワットを各30回ずつ。
これを部活の練習以外でやることにした。
父親がその姿を見て、「おまえもやっぱり男の子なんだな」と言った
76 1 2007/09/29(土) 20:46:44.70 ID:cespaxp50
2年生になった。トシもボスもチカもみんな別々のクラスになった
俺は、勉強そっちのけで柔道一色。練習も以前よりきついと感じない
朝4時起床→5キロのランニング→朝練→授業→午後練→5キロのランニング
→腕立て、腹筋、スクワット30回ずつ3セット
これを毎日ひたすら繰り返した。筋肉がついてきたのが自分でもわかる
鏡の前に写る自分の姿がたくましく思えた
78 1 2007/09/29(土) 20:49:20.29 ID:cespaxp50
そして、3年生が引退して2年生が主体になった
乱取りをしていて思う。俺、少しずつ強くなってる。うれしかった。
秋の大会では、人数が少なかったせいもあるが
団体戦のメンバーに選ばれるほどになってた
背もずいぶん伸びていた。いつの間にか母親を抜いていた。
入学した時、150センチなかった身長が、3年になるころには
160センチをゆうに超えていた
82 1 2007/09/29(土) 20:53:05.72 ID:cespaxp50
3年生になった。友達も増えて、俺はいつもその輪の中心にいた。
勉強はできなかったけど、学校生活がとても楽しかった
その姿が気にくわなかったのか、ボスがまたちょっかい出すようになってきた
おそらく、押さえつけてた先輩達が卒業したせいもあったのだと思う
そんなある日、体育の授業。種目は柔道。
柔道と剣道の授業は、隣のクラスとの合同授業。隣のクラスにはボスがいる
先生が20分ぐらい遅れるらしく、先にランニングと体操をしてるように
と、クラスの1人がみんなに伝えた
84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 20:55:37.51 ID:4kACKwL20
ボスとの対決に期待
85 1 2007/09/29(土) 20:56:28.45 ID:cespaxp50
ボスが同じクラスのヤツ3人連れて俺のところにやってきた
ボス「おまえ、柔道部なんだろ?ちょっと技教えてくんね?
俺は実践派だから軽く試合しよーぜ」
シカトした。柔道はスポーツだから喧嘩に使うなと顧問から言われていたし。
すると「びびんなよ?強いんだろ?」って言って俺の足に蹴りを入れてきた
あの時と同じように、ニヤニヤと人を見下したような顔。むかついた。
俺は「いいよ」って返事して立ち上がった。
いつもの試合とは違う緊張感。高ぶってくる今までにない感情。怖くはない
『勝ちたい』じゃなくて『倒したい』 初めてそう思った
86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 20:57:00.70 ID:wDOrS6pnO
ありがちだがこういう話は好きだぜ
92 1 2007/09/29(土) 20:59:55.72 ID:cespaxp50
試合形式をとった。審判も1人たてた。囲うようにみんなが観戦する
一応、礼をした。審判から「じゃあ始め」の弱々しい声
お互い右手で相手の道着の胸元をつかんだ。
ボスが俺の左足のふくらはぎ辺りに蹴りを入れてきた。
明らかに足払いじゃない『ビシッビシッビシッ』3発入れられた。
でも俺は動じない。走りに走って鍛え上げた俺の足腰はそんなんじゃ悲鳴をあげない
今度は、踏み込むと同時に右手を道着ごと突き上げてきた
左頬を下から殴られた。そして再び蹴り。左手で引き手を取るかと思いきや
胸に突きを入れられた。
「ほらどうしたぁ?こんなもんか?こいよ」ニヤニヤしてる
95 1 2007/09/29(土) 21:02:57.17 ID:cespaxp50
『ドン』
俺は体重の乗ってる右足のくるぶし辺りを目がけておもいきり蹴った
以前折られた左足で何度も蹴った。『ドン』『ドン』『ドン』『ドン』
体重が乗ってるから倒れない。痛みだけが残る
明らかに苦痛な表情。そしてその表情が怒りの表情に変わった
「てめぇ」 右手が俺の道着から離れた。チャンス!
すかさず引き手を取った。俺の組み手だ
強引に前に来た。今だ!!!
主将が引退前に俺に教えてくれた技。俺の得意技。背負い投げ
『ズドォン』
99 1 2007/09/29(土) 21:05:17.04 ID:cespaxp50
きれいに決まった。試合なら間違いなく1本で試合終了
でも俺はやめなかった。すかさず右腕をキメた。腕十字
そのまま手首もキメて締め上げた
ボスが悲鳴をあげた。それでも締め上げた。
ボス「いてえぇ・・まいった。やめてくれ。頼む」
俺は腕を離して立ち上がった。そして、腕をおさえてるボスを見下ろして
「もう1回やるか?」と言った。
ボスは、涙目になっていた
100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:05:16.67 ID:fK424Ue2O
スカッとするな
101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:06:19.95 ID:yyCADYVC0
柔道漫画にできるな
105 1 2007/09/29(土) 21:08:42.37 ID:cespaxp50
その日、部活が終わって帰ろうと校門を出たところにボスがいた
俺は部活の後輩と一緒だったが、先に帰した
ちょっと付き合えよと連れて行かれたのは、あの時の公園だった
公園にはボスの仲間が2人いた
ボス「おまえ、さっきので勝ったとか思ってんじゃねーだろーな?」
俺「べつに思ってないよ」
ボス「ちゃんと勝負つけようぜ」
俺「・・・・」
ボス「安心しろよ。こいつらは見てるだけだからよ。タイマンだよ」
タイマンって聞いてなんかホッとした。
さっきやってわかったから。俺のほうが強い
109 1 2007/09/29(土) 21:11:56.03 ID:cespaxp50
またさっきの緊張感と感情が甦ってきた。体が熱い。ドキドキする
殴られた。あの時は1発で倒れてしまった。今は?
痛くない。衝撃はあったが痛みをまるで感じない。
血が顔に跳ねた。今まで味わったことのない感触。なんか気持ちいい。
気づいたら馬乗りになって殴りまくってた。
俺を止めたのは、柔道部の顧問だった。我に返った
殴られた。これはものすごく痛かったのを覚えてる
114 1 2007/09/29(土) 21:14:52.34 ID:cespaxp50
それ以来、俺の中で何かが変わった。暴力の世界に魅せられた
人を暴力によって制圧することに快感を覚えた。喧嘩したい
俺は、夏の最後の大会を前に部活を辞めた
それ以来、喧嘩に明け暮れた
ゲーセンで悪そうなやつがいれば、あえて絡まれに行ったり
誰かがカツアゲされたと聞いたら喜んでスッ飛んでいった。
でも俺は、自分のことを不良ではないと思っていた
イジメ、カツアゲ、酒、タバコ、クスリの類は全くやらなかったから
女遊びもしない。ただ喧嘩のみ。
喧嘩に勝つことで俺は強いんだって感じる。それが快感だった
115 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:15:33.15 ID:4kACKwL20
なんか展開急に変わってNE?
118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:15:44.42 ID:powxZYtVO
おいおい変わりすぎwww
122 1 2007/09/29(土) 21:18:29.63 ID:cespaxp50
秋が終わる頃。学校では、みんな受験勉強してる時期。
俺もせめて高校ぐらいは行きたかったから少し勉強した。
授業をさぼったりとかはしてなかったからなんとかなると思った
冬休みに入り、友達の勧めで塾の冬期講習にも参加した
そして年が明けた。俺は県立高校1本に絞った
偏差値で言うと、下の中ぐらいのところかな
自分で言うのもなんだが結構勉強した。
勉強勉強勉強喧嘩勉強勉強喧嘩ぐらいした
130 1 2007/09/29(土) 21:22:13.43 ID:cespaxp50
試験を目前に控えた2月14日バレンタインデー
俺はチカに告白された。
チカは、いつの間にかメガネをコンタクトにしてて、ぽっちゃりだった体系も
スレンダーになってた。正直かわいいと思った。たぶん一般的にもかわいいと思う
「小学校の時からずっと好きでした」って言われた。
人生で初めて告白された。普通にテンパった
付き合ってくれとは言われてないし、なんて答えれば・・・
「ありがと。うれしいよ」とだけ言った
その後は何もなし。それだけだった。
134 1 2007/09/29(土) 21:25:39.08 ID:cespaxp50
俺は志望の県立高校に見事合格した。これで晴れて高校生だ
俺には1つ夢があった。バイクに乗ること。
高校受かったら免許とってもいいと親と約束してたのだ
卒業式は泣いた
ボコられたこと、トシが迎えに来てくれたこと、柔道部に入ったこと
試合で勝ったこと、ボスを倒したこと、喧嘩したこと、勉強したこと
チカから告白されたこと。いろんなことを思い出した。
俺は変われたのかな?強くなったのかな?そう思ったら泣いてた
式が終わってチカを呼んだ
これチョコのお返しって第2ボタンを渡した
そしたらチカは笑顔で「うれしい。これからもよろしくね」って言った。
141 1 2007/09/29(土) 21:27:59.38 ID:cespaxp50
高校入学式。ボンタンと中ランで行った。初めての電車通学。
身長175センチ、70㌔ 筋トレを続けてた甲斐もあってゴツかった
坊主頭に左目の上の傷跡(ボスにボコられた時のやつ)がハクをつけた
みんな避けていく。気持ちよかった。
式の最中、周りを見渡したら悪そうなのが結構いた。正直わくわくした
式が終わった後、校門を出たところに立って人間観察&絡まれ待ちをした
違う中学の知ってるヤツも何人かいた。俺がやったヤツもいた
ふと、前から歩いてくる女に目をやった。見たことある顔・・・チカだった
146 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:30:08.74 ID:cespaxp50
同じ高校に入ったこと知らなかったから驚いた
俺の前まで来ると「びっくりした?何してるの?帰らないの?」
一緒に帰ることにした。母親以外の女と歩いたことないから緊張した
何を話したかは、あんまり覚えてないけど、ずっと緊張してたのはたしか。
こんなときに限って・・・
乗り継ぎの駅のホーム。階段に座ってる2人組みのヤンキー
すぐ気づいたから目を合わせないようにチカの方を向いて階段を降りた
149 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:32:21.48 ID:cespaxp50
「お兄さん彼女連れてかっこいーねー」
やっぱきた・・シカトした
「どうしたのその頭?もしかして野球部?ぎゃははは」
ピクッときたけど、それでもシカトした
「おい!シカトすんなよハゲ!」空き缶投げられた
完全に絡まれた
154 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:34:57.93 ID:cespaxp50
足を止めた。チカは気にしないで行こうって俺を引っ張った
でもこのパターンは、たぶんシカトでやり過ごせないと思った
ちょっと考えて、2人だし、威嚇してびびらせる作戦に出てみた
振り向いて「ぁあ?」って言いながらおもいっきり睨みつけた
「あ?なんだおまえ、やんのか?」って立ち上がってきた
失敗した。完全に逆効果だった。しかも直後に
「なになに?喧嘩か?」ってもう2人階段を降りてきた
やばい。俺1人でもやられそうなのに、チカもいる・・・どうしよう
161 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:38:19.00 ID:cespaxp50
俺は足元の空き缶を拾ってそいつらに投げた
すかさずチカの手を取った。
「にげろー!!」
階段を駆け下りて、降りた階段と反対側にある階段まで走った。上った。
「てめえ待てよ」やっぱり追ってきた。振り向いた。距離10mぐらい
改札抜けようと思ったが、人がいっぱいいる。無理だ。
今度は違うホームの階段を駆け下りた。チカが遅い。やばい。
再び反対側の階段まで走った。
前に2人見えた。えっ?振り向いた。後ろに2人・・・
やられた。挟まれた・・・
もうやるしかない
チカに、道をあけるから走って逃げろ。先帰れと耳打ちした
171 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:41:42.08 ID:cespaxp50
「てめえ逃げ回ってんじゃねーぞハゲ」
近づいてきた。
一番弱そうなヤツに突っ込もうと決めた。狙いを定めた
なんとかなるだろ。よし、いったれー!!ってその瞬間
「おい、そこ何やってんだ!?」
駅員と警察登場。それを見て4人は「やべっにげろ」って走っていった
助かった。俺達も逃げなきゃって思ったけど、やめた。悪いことしてないし
駅員室みたいなとこに連れて行かれて、事情を聞かれた。
実際に被害者だったわけだからすぐに帰された
そしてその日は、そのままチカを送って帰った
なんか疲れた1日だった
178 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:45:48.24 ID:cespaxp50
初日こそ大変だったが、高校生活は以外にも平和だった
1週間ぐらい経ったころに、同じ1年のデブに喧嘩売られたぐらい
足を払って転ばして上に乗って殴って瞬殺した
中学の頃に、俺が他校に乗り込んで喧嘩してたのを知ってるヤツが
何人かいたから、ほとんど喧嘩売られなかった。
先輩に呼び出しとかされるのかなとも思っていたけど
仲良くなった友達の兄貴が同じ学校の3年にいたから
まあ、なんだかんだでかわいがられた。
だから喧嘩なんかほとんどしなかった。
誰かがやられたときに仕返しに行ったり、あとは絡まれたときぐらい
185 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:49:30.18 ID:cespaxp50
俺は、16歳になってすぐバイクの免許をとった
親に頼み込んで金を借りて、カワサキのZRXを買った
ノーマルの形が好きだったので、ハンドルとマフラーしかいじらなかった
俺は、その週の土曜にチカを誘った
「どこ行くの?」って聞いてきたチカに「海」って答えた
恥ずかしいけど、よくマンガとかに出てくる、彼女をバイクの後ろに乗せて
海沿いを走るみたいな・・そんなのに憧れてた。
実際は、マンガのようにはいかない。初夏だったその日は、日差しが強くて
走ってるときはいいけど、渋滞で停まったりするとエンジンの熱と日差しの
暑さで地獄だった。チカを乗せて慣れない2人乗りで俺は汗びっしょり。
それでもチカは、風が気持ちいいねって笑ってくれた
190 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:53:23.49 ID:cespaxp50
海沿いをしばらく走って、バイクを停めて砂浜まで下りた。
暑かったせいもあり、人がちらほら。ズボンをまくって海に入ると
水温はまだ冷たかった。でも汗を掻いて火照った体には心地いい
しばらく遊んだ後、再びバイクで海沿いを走った
小さなトンネルを抜けると、さっきまでとは違った海の景色が広がった
傾いてきた日差しが海に反射してキラキラと光ってる。きれい
思わずバイクを停めた。ちょっと行ってみようか?と言って
反対車線の奥にある低い堤防の下を覗き込むと、そこは岩場だった。
立入り禁止の札があったが、堤防を乗り越えて下りてみた
191 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:54:30.08 ID:wpm8k/aA0
まさか…
194 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:54:45.50 ID:4sT/nKWF0
これは・・・
201 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 21:56:35.30 ID:cespaxp50
そして平らな岩を見つけてそこに2人で座った
誰もいない2人だけの空間。潮風が気持ちいい
ゆっくりと時が流れた。海の色が変わりはじめている
なんとなくそんな雰囲気になった
チカと初めてのキスをした
こんなとき何て言えばいいんだろう。沈黙がプレッシャーになった
「俺の女になってくれ。大事にするから」
精一杯の勇気を振り絞って弾き出した言葉はそれだった。
当時の俺の頭の中にあった最高にかっこいい言葉だったんだと思う。
チカは「俺の女ってなんかヤクザみたい」って照れたような笑顔で言って
そのあとに「大事にしろよ」って言った
202 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:56:51.27 ID:hwyhFluV0
バイクって免許とって一年はニケツできない希ガス
204 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:58:21.36 ID:c7unhTyR0
>>202
そこら辺は
多分編集部が上手くやってくれる筈だ!
211 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:59:27.48 ID:yyCADYVC0
大事にしろよ
に萌えた
212 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 21:59:31.10 ID:k/L9S0dVO
正直この話すきだ
217 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:00:24.41 ID:cespaxp50
俺達はずっと一緒にいた。登校も下校も休みの日も。
チカのいる新しい俺の高校生活は、ものすごく幸せだった
そんなある日、高校1年の冬。
俺達1年の数名は先輩に「うちのチーム入らないか?」って誘われた。
そこそこ有名なチームだったから友達は喜んだ。近隣の高校と2校の合同チーム
俺は、バイクは好きだけど暴走族とかはあんまり興味がなかったから渋った
でも結局、友達の勧めもあって集会に参加することになった
集合場所は某公園の駐車場。すごいバイクの数。30台ぐらいはあった
みんな楽しそうに話してる。同じ高校の人も結構いた
先輩が俺達に気づいてこっちにきた。白の特攻服・・・かっこいい
「おう、来てたんだ」と言ったあと、俺達を総長に紹介した
先輩「じゃあそろそろ出るから、適当についてこいよ」
そして出発
228 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:04:30.39 ID:cespaxp50
新世界
外から聞くとうるさいだけのコール音も、中に入れば、あら不思議。快音
先輩達が見せる並走しながらのローリングはまさに芸術。
シートの上に立ってのダンスパフォーマンス。中はまさにお祭り状態
前の車が次々左右に割けていく。その視線が痛いほどに気持ちいい
一瞬でハマった。こんなに楽しい世界があったなんて・・・
俺はチームに入った。そして毎回集会に参加した
警察を撒いたり、たまに遠征先で他のチームと喧嘩したり
非合法な世界だけど、すごく居心地のいい場所
232 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 22:06:10.63 ID:4sT/nKWF0
おいおい、チカが泣いてるよ
235 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:07:06.68 ID:cespaxp50
チカと付き合って1年が過ぎた初秋、この日はチカの誕生日。
俺は、チカに内緒で事前にペアのネックレスを買っておいた
渡す場所はもう決めてある。
以前、雑誌を見てチカがここに行ってみたいと言っていた夜景がきれいな公園
夕方、待ち合わせ場所にチカを迎えに行った。
さっそく目的地に向けてバイクを走らせた。1時間ほどで到着した
俺は、チカきっと喜ぶだろうなぁなんて考えながらニヤついてた
「行こうぜ」って言って、メットを取った彼女を見たら泣いていた
意味がわからなかった。とりあえず、すぐそこにあったベンチに座ることにした
243 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:10:07.18 ID:cespaxp50
彼女が落ち着くのを待って、詳しく話を聞いてみた
チカの両親は離婚したらしい。前々から仲が悪いというのは俺も聞いてた
まず両方とも、それぞれ長い期間浮気をしていたことが原因
別れた後の親権について・・・
「おまえが母親なんだから面倒みろよ!」
「あなたから別れるって言ってきたんだから引き取りなさいよ!」
「慰謝料払うんだから関係ないだろそれは!」
「関係あるわよ!だいたいあなたはいつも・・・・」
「おまえだって・・・・・」
こんな会話を聞いてしまったらしい
ひどすぎる。かけてあげる言葉が見つからない
255 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:13:42.94 ID:cespaxp50
チカは声を出して泣いた
「私は邪魔な存在なの?生まれてこなければよかったの?」
俺は、チカの手を引っ張って立ち上がった
そのまま黙って公園に入って、幅が広くて少し長い階段を上った
そこは、俺がプレゼントを渡すと決めてた場所。視界に夜景が広がる広場
「俺がいるじゃねーか。俺がずっとチカのそばにいるよ」 そして・・・
「卒業したら結婚しよ。ずっと一緒にいて欲しいから。俺にはチカが必要だから」
同情の気持ちがあったのかもしれない。若さゆえの勢いだったのかもしれない。
でも俺は一度も後悔しなかった。いままでも・・・きっとこれからも
268 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:15:54.68 ID:cespaxp50
この日、俺達は家に帰らなかった
その夜、彼女の首にそっとネックレスをつけた
俺はすぐにバイトを始めた。もちろん結婚資金を貯めるため
俺達は、卒業するまでは実家に住んでそれぞれ貯金をするって決めた。
チカに会う時間が減ったけど
友達と遊ぶ時間が減ったけど
集会に参加する回数が減ったけど
それでも目標を持った生活は充実してた
275 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:20:31.81 ID:cespaxp50
あっという間に3年になった。そして、また暑い季節がやってくる
この日、学校帰りに仲間2人とチカと4人でファミレスに行った
飯を食いながら、いつものようにくだらない話をしてたら
見慣れない制服の3人組に声をかけられた
「ねえ君達、○○(俺達のチーム名)のメンバー?」
たぶんカバンに貼ってあるチームステッカーを見たんだと思う
仲間が「だったら何だよ?」って答えたら、いきなりそいつが殴られた
さすがに中はまずい。俺は、立ち上がって「表出ろよ」って言った
バトル開始
278 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:22:13.93 ID:cespaxp50
仲間A「おい!おまえらどこのもんだよ?」
敵A「さあ」
敵B「おら、早くはじめようぜ」
俺「おまえら俺が○○の赤服だって知ってて喧嘩売ってのか?」
敵A「赤服?知らねーよ。さっさとこいよ」
ちなみに、黒の特攻服=総長 赤の特攻服=特攻隊長 紫の特攻服=親衛隊
それ以外は白。っていうふうに俺らのときは決まってた。今は知らないけど
とりあえずチカに下がってるように言った
さあどうしようか
289 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:24:38.91 ID:cespaxp50
立ち位置から考えて3人の中で1番強いのはたぶんAだ
俺はポケットの中に手を入れて、ゆっくり近づいた。1歩・2歩・3歩
3歩目と同時にポケットの中の小銭をAに投げつけた。
条件反射で手でよけようとする。同時に視線がはずれるはず。
ズバリ。スキあり!
がら空きの顔面に一撃。うしろによろけた。
それを支えた後ろの2人の内の1人に、踏み込んで一撃。倒れた
そして顔面を押さえてるAを捕まえた。すかさず投げて倒した。
勝負あり。仲間も参戦して圧勝
尋問タイム
296 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:27:17.47 ID:cespaxp50
3人を座らせた
俺「で、おまえら何もん?どこのチーム?」
3人は無言
仲間Aが、さっさと吐けよと言って敵Aの顔面に蹴りをいれた
敵A「おまえらたぶん狩られるよ」って小声で言った
詳しく聞こうと思ったら、パトカーのサイレンが聞こえた。
たぶん通報された。タイムアップ
チカを連れて急いでバイクに戻って逃げた。
308 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:30:35.05 ID:cespaxp50
その夜、チームのやつらに連絡して聞いてみたけど
みんな思い当たるふしがないって感じだった。正体わからず。
でもその日、チームの後輩が3人やられてたことがわかった
そのまま数日が過ぎた
俺は学校が終わっていつものようにチカと一緒に帰った
そしてバイクを停めてある神社の裏に向かった
待ち伏せされてた・・・人数は9人。その中にあのときのヤツらもいた
とっさにチカを逃がした
この頃、俺は183センチあったけど、俺よりでかいヤツがいた
316 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:34:04.71 ID:cespaxp50
1:9はどう考えても無理だ
チカが逃げ切るまでもう少し時間を稼ごう。援軍を呼んでくれるはず
俺「で、みなさんお揃いで俺に何の用?」
敵A「いやあ、この前世話になったから是非ともお礼にね」
仕返し?ホントにそれだけなのか?
俺「ひとつだけいいか?なんでうちのチームを狙うんだ?」
デカ「おまえらのチームは全員死刑だからだよ!ゴタゴタうるせーよ!」
もう無理かな・・やばい・・・にげろー!
俺は学校の方へ全力で走った。後方から3人追ってきた
逃げながらふと、前に・・向かってくる・・・援軍
319 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 22:35:05.53 ID:H9Hv2iQfO
>>316
援軍キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
327 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:36:57.64 ID:cespaxp50
よっしゃあ!形勢逆転
俺は、後ろを振り返った。やつらも援軍に気づいた。逃げた
そして俺は「神社裏だ!早く!」って叫んで追った
神社裏到着。やつらはまだそこにいた
ほどなく援軍も到着。5人・・10人・・20人・・完全に数的優位
それを見てやつらは当然逃げた
俺「逃がすな!やれー!」って叫んで走った
するとデカが、置いてあったチャリをこっちに投げてきた
一瞬ひるんだ。やつらはバラバラに散って逃げた。
俺らもそれぞれバラバラに追った
335 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:40:06.05 ID:cespaxp50
結局2人だけ捕獲した。そいつらを神社裏に連れていってボコった
そしてチームの幹部に連絡して幹部全員を呼んだ
場所を移した。いつもの集会場
捕まえたやつらはすでに涙目。ちょっと脅したらすぐに吐いた
そいつらは隣の県のチームのやつだった。話を聞くと
1週間ぐらい前に、そいつらのチームの幹部の彼女とその友達が
2人組みの男にナンパされて、無理矢理やられたらしい
その男達のバイクにうちのステッカーが貼ってあったとのこと
もし本当だとすれば非はこっちにあるということだ
しばらくして捕まえたやつらを解放した
341 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:43:53.68 ID:cespaxp50
次の日、数名に声をかけて調べた。
手がかりは、黒のバイクに白のシート、タンクにドクロのマーク、金髪の2人組み
すぐ判明した。俺の高校の1コ下。2人ともここ数日学校に来てないらしい
幹部数名集めて、夕方そいつらを呼び出した。2人とも素直に認めた
総長が、おまえらのせいで仲間が何人もやられたんだって言って
2人をボコボコにした
2人は泣きながら何度も「すみません」って謝っていた
いろいろと相談した結果、俺達は詫びを入れることにした
明日金曜日、総長と俺とこいつら2人で向こうの地元に行くことにした
17:00にいつもの集会場に集合ということでこの日は解散した
345 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:46:59.64 ID:cespaxp50
次の日、俺は学校を昼過ぎに早退した
家に帰って少し休んだ。たぶんやられるだろうなぁと思った。
さすがに怖かった
でも行かなきゃと思い、少し早いが特攻服に着替えて家を出た
そしてバイクにまたがってエンジンをかけようとした時
学校のヤツがバイクでやってきた
チカがさらわれた
349 放課後ニャンニャン ◆0qkXBFmuAg 2007/09/29(土) 22:47:46.99 ID:OYi5msVH0
いやああああああああああああああああああああああああ
350 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 22:47:52.76 ID:lfPzKKAh0
やっぱりな
351 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 22:47:55.69 ID:OoJTqGoz0
特攻隊長!どうするんだよ!
チカがさらわれたあぅあぅあぅ
355 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:49:11.95 ID:cespaxp50
学校の帰り道にさらわれたらしい。
その時一緒にいた俺の仲間2人もやられた
俺はそいつに、総長に先に行くと伝えてくれと頼んだ
そして俺は、そのままやつらの地元に向かった
めいっぱい飛ばした。時間はまだそんなに経ってないはず
心臓が爆発しそうだ。胸騒ぎがする。苦しい
頼む、無事でいてくれ。頼むから・・・
もし、チカに何かあったら・・・そのときは・・
俺はたぶんそいつらを・・ころす
367 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:52:26.88 ID:cespaxp50
1時間ぐらいでやつらの地元に着いた。まだ外は明るい
特攻服だから目立つ。いま警察に捕まるわけにはいかない
俺は近くのパチ屋の駐車場にバイクを停めた。
そして特攻服の上着を脱いで、歩いて駅周辺をうろついた
それらしきヤツを見つけては、捕まえて情報を集めた
刃向かうヤツは容赦しなかった
1時間ぐらい経って、やつらの学校と集会場をつきとめた
時間は18:00を回ってる
俺は集会場へ向かった
371 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 New! 2007/09/29(土) 22:53:19.65 ID:powxZYtVO
やべードキドキしてきた
375 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:54:49.34 ID:cespaxp50
集会場に着いた。バイクの音が聞こえた。その音の方向へ向かった
見つけた!チームのやつだ。人数は3人
俺は、入り口にバイクを停めてそいつらに近づいた
そいつらも俺に気づいて立ち上がった
敵「おい、なんだてm」
なにも言わずにそのまま殴った。隣にいたやつにも1発入れた
倒れたやつの胸ぐらを掴んで2・3発殴った
382 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:57:11.00 ID:cespaxp50
敵はすでに戦意を喪失していた
俺「おまえらの幹部どこにいる?」
敵「知らないです。俺ら下っ端なんで。ほんとです。勘弁してください」
俺「はやく言え」 もう1発殴った
聞き出した。いるかどうかわからないが、いつもたむろってる場所
俺はバイクでそこに向かった
391 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 22:59:54.52 ID:cespaxp50
そこは工場地帯。少し広めの道の左右に工場や倉庫が並んでる
つきあたりまで進んで右に曲がった。そこにバイクを停めた。
いざというときのためにシート裏に入れてあるメリケンを持った
ここからは歩いていった。
そのまましばらく進むと右手に視界が開けた
その先に、所々に廃品が積み上げられている広場みたいなのがあった
広場の奥に倉庫がある
そして倉庫の前に黒の車が1台、バイクが5台停めてあった
バイクの前に2人いるのが見える
ここだ。間違いない
401 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:03:40.36 ID:cespaxp50
俺は、メリケンを右手に握って廃品に隠れながら倉庫に近づいていった
その時、 「おい!」 真後ろから声がした
振り向いた。敵だ!
瞬間、右のこぶしで顔面を殴った
『ごきゃ』 鈍い音がした。
顔面を押さえてしゃがみこんだ腹に蹴りを突き上げた
「ぎゃああああ」敵が声を上げた
前を見た。気づかれた。行くしかない!
「おらぁあ!!」バイクのとこにいる2人に向かって走った
げっ!俺は立ち止まった。
車から人が降りてきた。1・2・3・・4人
倉庫からも・・・3人
406 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:06:10.63 ID:cespaxp50
9人・・・でも今回は逃げるわけにいかない
息を整えながら歩いて近づいた
俺「チカを返せ」
敵「あ?まさかおまえ1人できたのか?」
俺「いいから早く返せ」
敵「まあまあ、焦るなよ。ちゃんとそん中にいるからよ。しかし1人とは驚いたな。
じゃあ、おまえの勇気に免じて俺が勝負してやるよ。俺に勝ったら返してやるよ」
俺「・・・ほんとだな?」
敵「ああ。勝ったら・な」
こんな状況でタイマンか・・・よっぽど自信あんだな
身構えた。久々に喧嘩で緊張した
413 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:09:09.48 ID:cespaxp50
最初の一撃を入れれば勝てる。俺は、相手の呼吸をはかった
下はジャリ。間合いを少しずつ詰めながら、左足のつま先にジャリを乗せた
もう少し・・もう少し・・
ふと、相手の視線が右にそれた。いまだ!!!
左足を蹴り上げた
『パキン』
頭の中にそう響いた
いてぇ・・・なんだ?・・・血?・・
うそだろ・・・
タイマンじゃ・・
マジ・・かよ・・・
チカ
427 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:12:11.89 ID:cespaxp50
時間がどれだけ経ったのか
気がついたら周りに仲間がいた
夢か?・・
全身が痛い。頭がボーっとする。ここは・・・倉庫
飛び起きた。チカ!!
俺は、仲間を割いて倉庫の扉を開けた
暗くてよく見えない
「チカーーー!!」
「・・・・アキ・・」
チカの声だ!チカの元へ走った
よかった。無事だった
433 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:14:05.76 ID:cespaxp50
なんだよこれ・・
チカの顔・・傷・・・
髪の毛が
制服が
足が
くつが
チカは強姦された
ゆるさねえ
ころしてやる
445 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:18:00.00 ID:cespaxp50
俺は、チカにボロボロになった特攻服の上着をかけた
そして「待ってろ。ぶっ殺してくるから」
と言って出口へ向かった。後ろからチカの声がした
チカ「もう行かないで」
チカ「私は平気だから。なんともないから。」
俺「平気なわけねーだろうが!」
俺は、思わず声を荒げた。すると
チカ「お願い。私は本当に平気だから。こんなのへっちゃらだよ
ね?だから忘れて?私も忘れるから。ね?お願いだから」
俺は、しばらくその場にたたずんでいた
そして、おもいっきり倉庫の壁を殴った。鈍い金属音が響いた
そしてチカを両腕に抱えて外に出た
457 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 23:20:11.01 ID:etkmeC2f0
いつの間にか見入ってしまっている。。
464 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:21:24.67 ID:cespaxp50
外に出るとみんなが待っててくれた。涙を流しているやつもいた
みんな状況を把握していたのだと思う
俺はチカを抱えたまま無言でその前を通り過ぎた
総長に一言だけ。報復はしないで欲しいってお願いした
それと、しばらくチカと一緒にいるから学校を休むと伝えた
その日はホテルに泊まった
次の日、俺はチカを連れて一旦家に帰った
着替えと通帳を取りに行くため
俺の部屋に母からの置手紙があった。
そこには電話番号と、ここに電話するようにとだけ書いてあった
470 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:23:04.94 ID:cespaxp50
その番号に電話してみた。1コ上の先輩だった
総長から事情を聞いたと言われた。そして、ここに来いと住所を言われた
荷物をまとめて、居間のテーブルに心配するなとメモを残して家を出た
チカの家にも寄って同じく荷物を持ってからその場所に向かった
ボロいアパート。ドアをノックすると先輩が出てきた
中に入れと言われてチカと入った。6畳ぐらいの1kの部屋
491 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:28:04.86 ID:cespaxp50
先輩「俺、明日から1ヶ月住み込みの現場入るから、この部屋使えよ
狭いけど2人ならなんとかなんだろ。金ないんだろ?」
俺「いや、でも・・・」
先輩「金はいらねえからよ。じゃあ俺そろそろ行くからよ
使わねーならカギ閉めてポストに入れといてくれりゃいいから」
じゃーなって言って、カギをテーブルに置いて出て行ってしまった
俺は、急いで玄関を出て先輩に向かって「ありがとうございます」って叫んだ
492 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 23:29:01.00 ID:k/L9S0dVO
先輩いいやつ
504 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:30:55.34 ID:cespaxp50
俺達は、そこで2人だけの生活を始めた
チカの心の傷は時間とともに消えていくだろうと信じて
そして次の日から俺は、チカと住む家を探して不動産屋をまわった
保証人が立てられないから、なかなか見つからなかった
やっと見つかった。即日入居可で保証人なしで入れるところ
家賃4万5千円で、一応風呂とキッチンもある。すぐ契約した
そして先輩にお礼の手紙を残して新居に引っ越した
テーブルと冷蔵庫とテレビしかない部屋だけど、うれしかった
夏休みに入り、俺はバイトに明け暮れた。
バイトで食い繋ぐギリギリの生活だったけど楽しかった
509 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:32:52.84 ID:cespaxp50
事件から2ヶ月が過ぎ、高校最後の夏休みが終わったある日の夜
チカの様子がおかしい。どうしたの?って聞くと、しばらくして
チカ「赤ちゃんができたみたい」
俺は固まった。頭の中にあの事件がよぎった・・・まさかな・・・
チカの頭の中にもきっと・・・
俺達の子供だよな・・・
しばらく2人とも無言になった
俺「産んでくれよ、俺達の子供。な?」
チカは、「うん」ってうなずいた
俺「予定より早くなったけど、結婚しよ。幸せになろーぜ」
俺達は、卒業を待たずに結婚することになった
515 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 23:34:35.25 ID:powxZYtVO
まじか?これは…
521 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:36:38.83 ID:cespaxp50
当然だけど、俺は学校を辞めて働くことにした。
退学届けを出した日、総長に言ってチームのみんなを集めてもらった
俺は、最後の特攻服を着て集会場に行った。みんな集まっていた
「みんなわりぃ。俺、先にチーム抜けるわ。チカと結婚する
今日学校も辞めてきた。もうちょっとみんなと走りたかったけど、ごめん」
引き止められたりもしたけど、最後は拍手で送り出してくれた
社会から少しだけはみだしてるけど、かけがえのない最高の仲間達
俺は今でもそう思ってる
531 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:38:48.37 ID:cespaxp50
2日後、俺宛に招待状と書かれた封筒がポストに入ってた
開けてみると、引退式と書いてあって俺とチカの名前が書いてあった
その下に日時が記されてた。場所は俺の家・・・???
わけのわからぬまま当日
一応、特攻服を着て待機してた。『ファン』とクラクションの音がした
外に出てみると、チームのヤツだった。車??
チカを連れて外に出ていくと「早く後ろに乗れ」と・・・
バイクは?って聞くと、お腹の中に赤ちゃんいるのにバイクはダメだろと
言われた。言われるがままにチカと後部座席に乗り込んだ
539 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:41:09.15 ID:cespaxp50
集会場に着くと、すでにみんな集まってた
総長「今日はアキとチカの引退式だ!派手にいくからヨロシク!」
と出発の号令をかけた
車での参加は始めてだから違和感があったけど
久しぶりの集会に胸が躍った
547 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:44:18.90 ID:cespaxp50
いつもの心地いいアクセルサウンド。俺が魅せられた非合法な世界
いつものルートを通って国道に出た。俺らの車が先頭に立つ
そしてここで、一台ずつ俺の乗ってる車の前に出てのローリング
うちのチームの引退セレモニーだ
左右に揺れるテールランプが、そいつらとの別れの合図
ああ、これが本当に最後の集会なんだと思ったら自然に涙が出てきた
俺は涙でぼやけながらも、そのテールランプを見ていた
国道を抜けると、ルートが変わった
そしてしばらく行ったところで車が停まった
前のバイクもみんな停まってる
警察?他のチームとカチ合ったか?
俺は状況が把握できないでいた
550 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 23:44:42.30 ID:J+X6zX890
鬱展開らめえええええええええええええええええええええ
554 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:47:50.39 ID:cespaxp50
すると総長が車まで来て「降りてこっちにこいよ」って言った
総長に連れられてしばらく歩いていくと、そこには汚いガレージがあった
ガレージにはシャッターがおりている
ちょっとここで待てと言われて、チカとシャッターの前で待った
目の前のシャッターが突然開いた。これは・・・
白く塗られた1本の道
その先にある教壇
その上にある手作りの十字架
総長「結婚式やろーぜ」
556 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 23:48:48.92 ID:k/L9S0dVO
やべぇ素でないちまった
557 放課後ニャンニャン ◆0qkXBFmuAg 2007/09/29(土) 23:48:57.24 ID:OYi5msVH0
なんか急に画面がぼやけてきた
561 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:50:30.73 ID:cespaxp50
特攻服の神父に笑った
新婦の父親代理をかってでた総長が一番緊張してた
みんなが見てる前での誓いのキスはドキドキした
途中で十字架が落ちてきてびびった
流れがわからなくて、とりあえずみんなでアーメンと声を合わせた
めちゃくちゃな結婚式だったけど
仲間の気持ちが痛いほどに伝わった
俺は、最高の結婚式をあげることができた
今でも胸に残っている一生の思い出だ
581 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:55:42.36 ID:cespaxp50
それから数ヶ月後
20時間を超える難産だったけど、母子ともに無事に出産を終えた
小さい体を震わせて泣いている我が子は、弱々しくも暖かくて、やさしくて、
まるで本当の天使かと思うぐらいかわいかった
俺達はその天使を、『ミキ』と名づけた(漢字は伏せさせてもらいます)
妊娠中に二人で考えて決めていた名前
DNA鑑定とかは考えなかった。どっちの子供でも俺の子として
育てるつもりだったから。血液型は一応大丈夫だったけど・・・
親の反対を押し切って結婚したので、両親とは疎遠になりかけていたが
退院後、ミキを連れて俺の実家に行くと、今までの反対が嘘だったかのように、
これでもかってぐらいにかわいがってもらえた。
残念だが、チカの両親はすでにどこにいるのかわからなくなっていた
591 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/29(土) 23:58:42.91 ID:cespaxp50
俺は、がむしゃらに働いた
お世辞にも裕福とは言えなかったけど、それなりに生活はできた
休みの日に公園で遊んだり、たまに動物園や水族館に行ったり
誕生日やクリスマスにはプレゼントを買ってみんなでお祝いしたり
そんな普通の生活だったけど、チカがいてミキがいて・・・俺は幸せだった
595 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 23:59:41.70 ID:etkmeC2f0
>俺は幸せだった
過去形が気になる。
602 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:01:15.06 ID:HDeM1hsN0
そして月日は流れ、ミキの3歳の誕生日を2ヵ月後に控えたある日
仕事を終えていつものように帰ると、チカがうずくまって咳をしていた
チカは1ヶ月ぐらい前から風邪を引いていて、なかなか治らなかったのだ
そのちょっと前にミキが風邪を引いてたので、うつったのだと思っていた
数日後、俺は夜中にふと起きた。布団にチカがいない。
起き上がってチカを探すと、チカは風呂場でうずくまって咳をしていた
なんか変だ。呼吸が苦しそう。俺は、やばいと思ってすぐ救急車を呼んだ
翌日、医者からあまりにも残酷な宣告を受けた
605 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:01:58.51 ID:ZW02vqXdO
まさか…
607 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:02:35.56 ID:hJqPPQOL0
そんなチカ・・・・
613 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:03:48.98 ID:HDeM1hsN0
チカの体は、癌におかされていた
全身に転移していて、もう手の施しようがないと言われた
進行が早く、2ヶ月もたないだろうと・・・
何を言われてるのかわからなかった
死ぬ?あと2ヶ月?
何言ってんの?
冗談言うなよ
そんなわけないだろ
だってまだ21歳だぜ
癌?末期?
ふざけんなよ!
受け入れるなんて無理だよ
623 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:06:50.85 ID:HDeM1hsN0
病室に戻ると、チカとミキが話してた
俺「過労だって。疲れがたまって風邪が治りにくくなってるから
入院してしっかり治したほうがいいって」
チカ「そっか。迷惑かけてごめんね。」
俺「いいよ。それより早く治せよ。そしてミキの誕生日はみんなでどっか行こう」
チカ「うん。」
嘘をついた
そしてしばらく話して、離れたくないって泣きじゃくるミキを連れて
2人で家に帰った
その夜ミキを寝かしつけた後、実家に電話して母親にすべてを告げた
そしてミキの寝顔を見ながら、少しずつ現実を受け入れた
632 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:09:52.08 ID:HDeM1hsN0
チカは、日に日に衰弱していった。全身の痛みがひどくなってきた
もう弱い薬じゃ痛みを抑えられないほどになった
チカ「ねえアキ?私の病気はなに?本当のこと教えて」
俺は、覚悟を決めた。そしてチカに本当のことを言った
チカ「そっか。やっぱりなぁ。アキは嘘つくと顔に出るからね。
本当のこと言ってくれてありがと。」
チカは笑顔でそう言った。
俺「怖いか?」
チカ「・・・・うん。」
俺「チカの体はなくなっちゃうかもしれないけど、
チカの心は、俺とミキの中に生き続けるから・・・ずっと一緒だから」
そう言うとチカは声を出して泣いた。
きっと怖くて怖くて仕方なかったんだろう
俺は、その痩せ細った体をしばらく抱きしめていた
644 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:13:13.35 ID:HDeM1hsN0
それから数週間後
ミキの3回目の誕生日を待たずしてチカは天国へと旅立った
チカは最後までがんばった
強い薬を使って痛みを抑えることもできたのだが、チカはそうしなかった
強い薬は、痛みとともに感覚や意識までも取ってしまうからだ
チカは最後の瞬間まで俺やミキと一緒に居たい
そう言って痛みに耐えることを選んだ
最後のとき、俺は、チカの手を握って見守っていた。
すると、呼吸器越しにチカの口が動いているのが見えた。
何か言いたいのか?俺は、思わず呼吸器をはずして耳をチカの口元に寄せた
声にはなっていなかった。ただ生暖かい空気が俺の耳に数回触れただけ
でも、俺にはわかった。チカの心の声が俺にははっきりと聞こえた
彼女は確かにこう言った。
ありがとう
648 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:15:12.72 ID:C/OhgZ+TO
うああああああああああああああ
649 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:15:12.74 ID:Ha0vuGd30
あれ眼から汁が・・・
657 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:16:24.28 ID:HDeM1hsN0
その夜、俺は一晩中泣いた
チカとの思い出、病気の憎さ、寂しさ、不安
頭の中をいろいろな思いがぐるぐると回った
チカは幸せだったんだろうか
俺はチカの支えになれたんだろうか
そんなことをずっと考えていた
そしてミキの寝ている寝室にいき、その寝顔を見ながら
俺が、チカの分までミキを愛そう。2人で強く生きていこう
そう心に誓った
658 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:16:26.77 ID:2ZZF4T4U0
これはやばい・・・・目から水が・・・・
659 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:16:26.71 ID:cEVcWSfeO
全俺が泣いた
661 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:16:53.56 ID:fZtCmVznO
一気に読みました
涙が止まりません
668 放課後ニャンニャン ◆0qkXBFmuAg 2007/09/30(日) 00:18:35.39 ID:txx6EUw80
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここまで12回泣いた
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
670 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:18:46.83 ID:JAhCq+EWO
やべっ…泣いてる俺
672 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:19:29.14 ID:HDeM1hsN0
葬儀が終わって数日が経った
ミキ「ねえパパ?ママはどこいったの?もう帰ってこないの?」
俺 「ママはちゃんといるよ」
ミキ「え?どこに?」
俺 「ミキ、目をつぶってごらん」
ミキ「・・・・こお?」
俺 「うん、そう。そしてママのこと思い出してごらん」
ミキ「・・・・・・」
俺 「ママは何してる?」
ミキ「お買い物してる」
俺 「そっか。何買ってるの?」
ミキ「えーとねぇ、にんじんと、卵と、アイスと・・・いっぱい買ってる」
俺 「そっか。ママは笑ってるかい?」
ミキ「うん。ママ、笑ってるよ」
俺 「そっか。ミキ、目を開けてごらん。
ね?ちゃんとママはいたでしょ?そうやってパパやミキの心の中で
ママはずっと一緒にいるんだよ。わかる?」
ミキ「う~ん・・・・・・・わかんない」
678 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:20:26.41 ID:+ydWpGWoO
(´;ω;`)ブワッ
685 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:21:45.70 ID:OJPxceQs0
。・゚・(ノД`)・゚・。
690 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:22:49.16 ID:IRQ2A/3kO
先生、泣いてもいいですか?
693 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:23:55.83 ID:HDeM1hsN0
俺は、ミキと2人で暮らした。
何度も実家に帰ってこいと言われたが、ミキと2人で暮らすことを選んだ
そして精一杯の愛情を注いだ。できることはすべてやった
ミキが笑ってくれるなら、どんなことだってやった
行きたいとこがあると言えば連れて行ってあげた
欲しい物があると言えば何でも買ってあげた
親バカかもしれないけど、そんなのは愛情ではないのかもしれないけど、
母親がいないことでミキに寂しい思いをさせたくなかった
ただそれだけを考えていた
そして月日は流れていった
710 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:28:23.62 ID:HDeM1hsN0
ある夜、俺が酒を飲んでいると、ミキが俺のとこにやってきて
「私もちょっともらおうかな」と言って、自分のグラスを持ってきて
俺の缶ビールをその中に少し注いだ。そしてひと口飲み終えて
「ねえ、覚えてる?私が小学生のとき、大切な手鏡をドブに落としちゃった時のこと。
2人で暗くなるまで泥まみれになりながら探したね。
あと、中学生の時だっけ?私が隣のクラスの男子にいじめられて泣いてたら
お父さん、その子の家に怒鳴り込んで、向こうのお父さんを殴っちゃって。
お父さんは知らないかもしれないけど、あの後、結構大変だったんだから。
あと高校生の時、私が黙って外泊した時。
初めてお父さんに手をあげられた。痛かったなぁ。
なんか懐かしいね。
ねえ、お父さん?
私、お母さんいなかったけど、一回も寂しいなんて思ったことなかったよ。
お父さんがいつでも側にいてくれたから。だから私、すごく幸せだったよ
お父さん、20年間私を育ててくれてありがとうございました」
712 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:29:20.88 ID:qyDOjiiIO
お い つ い た
書籍化決定だな
722 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:31:16.03 ID:HDeM1hsN0
その言葉を聞いて俺は涙を流した
チカが旅立った日、強く生きようって決めた日
あの日からずっと流すことのなかった涙
いろんな思いが次から次へと溢れ出てきて胸がいっぱいになった
その翌日、ミキは結婚した
純白のドレスをまとったその姿は、とても綺麗だった
俺はその姿を見ながら、我が子の幸せを心から願った
ミキが結婚式を挙げた日
知ってか知らずか、その日は俺とチカの結婚記念日だった
おしまい
最後まで読んでくださった方ありがとうございました。
723 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:31:31.48 ID:cVMEg9YB0
おつ!
737 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:33:05.72 ID:YDEQOCakO
涙が…
742 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:33:43.40 ID:hJqPPQOL0
>>1
おつかれさまでしたー 今週のジャンプより5倍は面白かったです
次回作期待してます 先生
747 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:34:12.06 ID:HDeM1hsN0
この物語はフィクションです
登場人物、ストーリーは全て架空のものです
753 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:35:14.85 ID:ZW02vqXdO
乙!!!!!
754 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:35:15.25 ID:F2/o0JCt0
1ありがとう このスレに出会えてよかった。
755 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:35:18.43 ID:2ZZF4T4U0
乙!!!!
感動したわ!!
756 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:35:23.89 ID:hJqPPQOL0
>>747
うはぁwww いい作品でした!
757 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:35:25.97 ID:25Tuu9Hi0
>>1の本当のスペックは?
766 1 ◆0uXqFOC2zc 2007/09/30(日) 00:36:29.95 ID:HDeM1hsN0
俺は、27歳ですwww
普通の会社員です
なんか小説を書きたくなったのでついwwww
乙ですノシ
769 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:36:55.17 ID:hxZizhnP0
最後あたり展開が急すぎた感があったけど面白かった
770 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:37:02.45 ID:hJqPPQOL0
次回作はヤンキー物じゃない方が良いです、先生!!!!!!!
771 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/30(日) 00:37:28.05 ID:u7eu9Unq0
>>1
乙
関連商品:
※かなり長いです
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/29(土) 19:04:34.55 ID:cespaxp50
『たまご』
小学校5年生の時、こうみんなから呼ばれてイジメられてた女の子がいた
名前はチカ。ビン底メガネをかけたぽっちゃり体系の女の子
もともと大人しくてクラスでも目立たない子
先生「みんな、明日必ずオシッコとぺったんシール持ってこいよー」
オシッコとは尿検査、ぺったんシールはぎょう虫検査のことだ
数日後、チカは、ぎょう虫検査で再検査になった
そして、その情報をクラスのひとりの男子が知って、みんなに言いふらしたのだ
そしてついたあだ名が『たまご』
結局チカは、陰性だったわけだが、そんな事実はすでに関係ない
「うわーうつるーー!」「汚ねーから近寄んなよ!!」
実質、いじめてたのは5人ぐらい。イジメの中心にいたのがクラスのボス
あとは、女子も含めて見て見ぬふり。俺も、その見て見ぬふりの中の1人
イジメはエスカレートしていった
教科書や上履きを隠したり、給食の班の輪に入れなかったり
授業中、ノートにクラス全員の名前が書いてあって、その下に
ぎょう虫がいる人は、○を付けてください。って紙を回したり
そんなある日、イジメが始まって3ヶ月ぐらい過ぎた頃
掃除の時間に、イジメ軍団がチカの机を汚れたモップでこすっていた時
1人の男子が「もうそういうのやめろよ」って言った
周りの空気が一瞬止まった
次の日から、イジメの対象が1人から2人になった
男子へのイジメは凄まじかった。ドッチボールで顔面におもいっきり
ボールを当てたり、プロレスごっこしよーぜって言って殴ったり蹴ったり
俺も心の中では良くないってわかっていたものの、実際にイジメの現場を
目の当たりにすると、とても止める勇気を持つことはできなかった
俺に出来る精一杯は、隠された物の在りかをこっそりと教えてあげる事ぐらいだった
そして小学校を卒業し中学生になった
イジメられてた男子は、同じ中学にはいなかった
私立に行ったのか転校したのかはわからない
俺はチカと同じクラスになった。運悪いことにボスも一緒のクラス
やはりイジメは続いた
ボスは、瞬く間に不良になっていった。1学期が終わる頃には、髪の毛が金髪で
ボンタンに短ラン。不良グループの先輩達ともつるんでいる状態
もう先生ですら見て見ぬふり。俺も火の粉が自分に降りかからないように
そういう風に考えて過ごしてた
中学1年の2学期、席替えでチカと隣の席になった
週に1回の漢字テストの時間。問題を全部解き終わってボーっとしていると
隣で『ビリッ』と紙の破れる音。何気なく見てみると、チカが消しゴムを
忘れたらしく指で回答を消していた。俺は自分の消しゴムを半分ちぎって
チカの机の上に置いてあげた
そのことがきっかけでチカと少しずつ話すようになっていった
ボスは授業をさぼることが多く、イジメも以前ほどではなくなっていた
2学期の半ばが過ぎた頃には普通に会話をするぐらいになっていた
しばらく経った11月の終わりぐらい、昼休みの時間。
俺の唯一の友達、トシが俺のところに来た。ボスが呼んでるよって
一言で言うと、身の危険を感じた。
恐る恐る待っていると教えられた場所に行ってみると、そこには
違うクラスの男2人とボスがいた。
ボス「おまえ、なにチカと仲良くしてんだよ!俺を裏切んのか?」
裏切るもなにも・・・と思ったが当然言えない。
脳裏に小学校の時にイジメを止めた男子の事がよぎった。すごく怖くなった。
俺「べつに仲良くなんてしてないよ」
実際に仲良くしてるわけじゃないし。俺は心の中で自分を正当化させた
するとボスは
ボス「じゃあよ、これをチカのカバンの中に入れろよ!」
って言ってビニール袋を渡された。ニヤニヤしてる顔がまさに悪魔
何これ?って中身を見てみると、そこには、ねずみの死骸が入っていた。
俺は、びっくりして袋を落としてしまった
ボス「できるだろ?やらなきゃわかってるよな?ん?」
俺は了解する以外なかった。怖くて、この場から今すぐ逃げたくて。
袋を持って教室に帰ろうと歩く後ろから「ちゃんと袋から出せよー」の声。
俺は教室に帰ってすぐ自分のカバンに袋をしまった
ここで>>1の人間性が問われる
がんがれ
そんなひどいことは出来ない。でもやらなきゃイジメられる。
やるしかない。いや、だめだ。やろう。だめだ。 ・・・・・・
残された時間はもうわずか。どうしよう。どうしよう。どうしよう
気が狂いそうな葛藤。何度も気が遠くなった
やってしまった
5時間目が終わり、6時間目は音楽の授業
休み時間にみんな音楽室に移動する。俺も移動した
歩いてると、トシが俺のとこにやってきて「さっき、大丈夫だった?何かあったの?」
歩きながら俺は「平気。別に何でもなかった」って言って、忘れ物したから
ちょっと教室に戻るって言って、トシに教科書とリコーダーを渡した
そして急いで戻った
教室に戻ると女子が2人残っていた。しばらくして女子が出て行くのを
確認して教室に入った。急いで自分のカバンから袋を取り出した
そして、机の横に掛かっているカバンのチャックをそっと開けた
うわっ、汚ねえ。しかも臭い。なんだこの匂い・・・タバコ?
その中に押し込むように袋ごと入れてチャックを閉じた
そう。俺が入れたのは、チカのカバンじゃなくボスのカバン
なんでこんな行動をとったのか自分でもわからない
GJ!
>>1はやればできる子
このあとは予想通りの展開です。
ボス「放課後ちょっとツラかせよ!逃げんじゃねーぞ」
呼び出されたのは、学校を出てすぐのところにある公園
覚悟はしてたが、やっぱり怖かった。先生に言おうとも思ったのだが
言わなかった。ホント、無謀というかただの馬鹿
公園に着くと、ボスを含め5人いた。内2人は先輩だった
「てめぇ、よくも裏切りやがったな」ボスが近づいてきた
胸ぐらを捕まれて、いきなり顔面に1発。俺は倒れこんだ
頭を踏みつけられた。同時に背中を蹴られた。俺は頭を抱えて丸くなった
顔、頭、肩、腕、腹、背中、足
痛い。激痛が走る。早く過ぎ去ってくれ。目をつぶってじっと耐えた
何で俺がこんな目に合わなきゃいけないんだ!何で!
屈辱感みたいな感情でいっぱいだった
どれぐらい経ったんだろう
あれ、痛くない。体がふわふわする。暖かい、何だこれ
俺、死んじゃったのかな? あはは、なんか気持ちいいや
ここはどこ?真っ白。霧がかかっててよく見えないよ
きぃぃ・・・・きぃぃ・・ア・・きぃー・・・アキィィ・・アキ!!
だれ?誰かいるのか? 呼んでる・・・俺の名前・・・
聞き慣れた声・・・・・お母さんの声だ!
目を開けると母親がいた。それとともに全身に激痛が走った
「あが・あがっ・・」悶えた。母親は涙を流してた
母親の顔を見ると安心したのか、俺も泣いてしまった
なんか切なくなってきた
どうやら俺は救急車で病院に運ばれたらしい
鼻骨ヒビ、左足首ヒビ、肋骨2本骨折、全身打撲
全治3ヶ月。入院1週間ということらしい。ひどくやられたもんだ
これはひでーな
翌日の午後、担任が見舞いに来た。
怪我大丈夫か?話せるか?って聞かれて、「はい」と答えると
「うちの生徒が、昨日公園で、○○が他の学校の生徒数名にやられているのを
見たと言っているんだが、そうなのか?本当か?」
なるほどね。そういうことか。すぐに理解した。
「わかりません。いきなり殴られて倒れちゃったんで」って答えた
その後も、どこの学校かわかるか?とか、覚えてる顔はないか?
とか、いろいろ質問されたけど、全部わかりませんって答えた
なんで本当のことを言わなかったんだろう
もっとひどい目に合うと思ったんだろうか
警察もきた。担任と同じことを聞いてきたから同じように答えておいた
傷害事件として調べるから、何か思い出したら連絡くれと言われた
入院3日目にトシが見舞いに来た。包帯とガーゼだらけの顔を見て絶句してた
学校で結構大きな問題になったみたいだ。臨時の全校集会があったらしい
ひと通り学校でのことを話してくれたあと、単刀直入に聞かれた
「本当はボスにやられたんだろ?変な袋をボスのカバンに入れたから」
はっ?なんで知ってんの?思わず口にしてしまった
トシには正直に全部話した。
トシは、俺が昼休みにボスに呼ばれて、チカのカバンにねずみ死骸を
入れろと言われたところを見てたらしい。その後、その袋をボスのカバン
に入れたのも。
放課後、危ないと思い俺を探したが、見当たらなかったと。
「ごめん」って謝られた。
俺は、何て言っていいかわからず黙り込んでしまった
しばらくして、「トシのせいじゃないよ」とだけ言った。
すると、トシが突然、もう1人どうしても謝りたいってやつがいて
連れてきたからちょっと待っててと言って出て行ってしまった
トシの後ろから下を向きながら入ってきたのはチカだった。
すでに泣いている。俺の前に来て「私のせいでごめんなさい」と一言。
予想外な展開で頭が混乱したが、とっさに出てきた感情は怒りだった
俺「ごめんなさいってなんだよ!別におまえのせいじゃねーよ!
それにおまえの為なんかじゃねーよ!勝手に勘違いすんなよ!」
トシが慌てて止めに入った。
しばらくトシに諭されて少し冷静になった
チカは泣いてる。空気がものすごく重い。
俺はチカに、ごめん。言い過ぎたって謝った。
そして2人にお願いした。
このことは先生にはもちろん、誰にも言わないで欲しい
3人だけの秘密にして欲しいと。トシはしぶしぶだったが了解してくれた。
退院の日、母親が迎えに来てくれた。
松葉杖をついて、腹にサラシみたいなのを巻いて。力を入れるとまだ激痛が走る。
顔の腫れは、ずいぶん良くなった。それでも鼻と左目の上にガーゼを被せてた。
なんとも弱々しい姿。でも、やっと開放されたと思うと無性にうれしかった。
>>1がすごくかっこいい
>>1になら抱かれても良い|ω・`)
夜、父が帰ってきて久しぶりに3人で夕飯を食べた
食べ初めてしばらくすると、父がそっと箸を置いた
父「おまえ、本当は学校でイジメられてるんじゃないのか?」
たぶん母が言いたかった言葉。でもずっと聞けなかった言葉
父「もしそうなら正直に言って欲しい。そうすれば引っ越すことだってできる」
俺「何言ってんの?そんなわけないじゃん。心配しなくて大丈夫だよ」
本当か?ともう一度確認されたので、うん。と答えた
父は、そっか、わかったと言って、以来その話題には触れなかった
久しぶりに食べた母の手料理は、ちょっぴりしょっぱかった
退院後もしばらく学校を休んだ。松葉杖での日常生活にまだ慣れてないのと
やっぱり不安だったから。怖いといった方が正しいかな
3日後、担任が家に来た。
俺を見るなり、「おっ、だいぶ男前の顔に戻ったな」と笑顔で言った
母親が居間に通して、テーブルを挟んで向かい合わせに座った
担任「調子はどうだ?そろそろ学校に来れそうか?」
俺「はあ・・そうですね・・・」
担任「松葉杖のことは心配するな。みんなに協力するように言っておく。
席も窓際の一番後ろに替えるから大丈夫だぞ」
とりあえず両親と相談すると伝えた。
先生はきっと、俺がこのまま登校拒否するんじゃないかと心配だったんだろう
でも先生、窓際の一番後ろの席はボスの席なんだよなぁ・・・
その夜、両親に学校に行くことを告げた。母親は最後まで反対してた。
2学期ももう終わりだから3学期からでいいんじゃないかと。
でも結局行くことで合意した。次の日、母親はその旨を担任に電話した
喜んでいたらしい。俺もその夜、トシに明日から学校行くと電話した
次の日、緊張してたせいか早くに目が覚めた。
行くと決めたが、やはり不安でいっぱい。母親が用意してくれた新しい制服。
ズボンをはこうとしたがギブスで足が通らない。ジャージで行くことにした
心配そうに見ている母親に元気良く「いってきます」と言い、早めに家を出た
家の前にトシがいた。迎えに来てくれたみたい
学校に近づくにつれ心拍数があがっていくのがわかった。
トシがいなかったら引き返していたかもしれない
他の生徒に見られてる気がする。まあ松葉杖でジャージだから仕方ないか
学校に着くと、下駄箱で担任が待ってくれていた。
不便だからスリッパを履けと下に置いてくれた。下駄箱に右足だけの靴を
しまって、2人に支えられ階段を上って教室の前に着いた
すごく緊張した。
「ガラガラ」 担任がトビラを開けた。
生徒は半分もいなかった。そっか、早めに出たんだった
でもみんな俺を見てる。まるで幽霊でも見てるような顔で
担任に誘導されて窓際の一番後ろの席に座った。なんかイヤな予感・・
時間が経つにつれ生徒が次々に教室に入ってくる。
「おっ!久しぶり」「もう平気なの?」「痛そう」「ちょっと松葉杖貸して」
気づいたら俺の周りにちょっとした人だかりが出来ていた。
今までにない経験。少しうれしかった
そしてボス登場。
目が合った。その瞬間、背筋が凍った。あの日が脳裏をよぎる。怖い・・・
近づいてくる。俺とボスとの直線上を開けるように人だかりが割れた
ちょっと松葉杖貸して
あるある
「よお」
最初の一言はこうだった。俺はびびりながらも、おはようって返した
ボス「なーんだ、元気そうじゃん。てっきり死んだのかと思ったぜ」
返す言葉がない。黙り込んだ。
ボス「他の学校のヤツらにやられたんだって?俺が仕返ししてやろうか?」
腹が立つと言うより、やっぱり怖かった。
「いいよ。もう平気だから」って答えた。
直後に担任が再び教室に入ってきた「HRやるぞー席に着けー」
同時にみんな自分の席に戻った。なんとか乗り切ることができた
その後、予想外にボスは俺に絡んで来ることはなかった
1回だけ、休み時間に俺のとこに来て
ボス「おまえ、センコーとか警察に言わなかったんだろ?」
俺「誰にも言ってないよ」
ボス「じゃあ俺を裏切ったことは、この前のでなしにしてやるよ」
こんなやり取りがあっただけ。なんか拍子抜けした
俺に怪我を負わせたことに多少なりとも責任を感じているのかなと思った。
でも違った。真相はすぐに明らかになった
放課後、トシと一緒に帰った。そして帰り道、公園に寄った
トシ「ボスはたぶんもう大丈夫だよ」
俺は、???って顔をした。
詳しく聞いたら、2年に柔道部の主将がいて、この主将は先輩ヤンキー達も
一目置いている存在だという。学校で一番強いらしい。
主将→先輩ヤンキー→ボス という感じで手を回してくれたとのこと。
でもひとつ疑問。トシと主将の関係は何?
聞いてみると、トシには3つ上に兄貴がいて、
その兄貴の親友が元柔道部の主将だったらしい。
今の主将の先輩というわけだ
まとめると、トシ→兄貴→親友(元主将)→今の主将→先輩ヤンキー→ボス
トシは俺が入院中、兄貴に頼んでくれてたみたい
トシがイイ奴過ぎて泣いた
トシいい男すぎだろw
それを聞いてすごくうれしかった。
イジメ云々より、俺のためにそこまでしてくれたことが何よりうれしかった
トシが、明日柔道部の主将にお礼に行くと言ったので、俺も行くと言った
次の日の放課後、2人で道場に行った
主将は、坊主頭でごつくてでかい。いかにも強そうだった
トシは、主将にお礼を言った。俺も続けて頭を下げた。主将は俺を見て
主将「怪我は大丈夫か?俺はあんまりこういうのは好きじゃないが、今回は特別な。」
俺「はい。ありがとうございました」
主将「それにしても、おまえは見るからに弱々しいな。
男だったら自分の身ぐらい自分で守れよ。」
圧倒された。1つしか違わないのに・・・
なんか自分がすごく情けなく思えた。そう思うと涙が出た
主将もイイ奴
2学期が終わり、年が明け3学期が始まった
みんなの支えもあり松葉杖での学校生活をなんとか乗り切った
このことがきっかけで俺にも友達が少し増えた
チカに対するイジメもいつの間にかなくなっていた
順調な学校生活を送っていたのだが、俺の心はいまいち冴えない
主将に言われた言葉が俺の頭から離れない
もうあんな思いはしたくない。
俺も強くなりたい。変わりたい
心の中で強くそう思うようになってた
2月になった。怪我は完治した。俺は柔道部の入部を決めた
父は喜んでくれた。母は相変わらず心配そうな顔をしてた
トシにも言ったが、練習がきついから続かねーぞって冷やかされた
俺は、幽霊部員だった卓球部に退部届けを出して、その足で柔道部の
顧問のところへ行き、入部届けを出した。
まず仮入部して、しばらく見学してから決めろと言われたが
やります、もう決めました。と言って入部した
翌日の放課後から参加することになった
その日、床屋に行って、耳ぐらいまであった髪を坊主にした。
翌日学校に行くとみんなに笑われた。一休さんみたいって言われた。
放課後、道場に行った。主将に今日からお世話になりますって挨拶した
主将は俺のこと覚えててくれた。きついけどがんばれって言ってくれた
そして、これに着替えろと使い古した柔道着と白の帯をくれた
練習は予想以上にきつかった。ランニングから始まり、ストレッチ、
受身、組み手、乱取り、ランニングというのが通常のメニュー
俺は、ランニングとストレッチと受身のみ
最初のランニングですらついていけなかった
入部後数日が過ぎた
慣れない運動で全身の筋肉がパンパン。歩くのもきつい
先輩達と練習している同じ1年生の姿を見て、すごく悔しかった
俺も早く追いつきたい。そして俺も強くなりたい
俺は部活の練習以外に自主トレすることを決めた
5キロのランニング。腕立て、腹筋、スクワットを各30回ずつ。
これを部活の練習以外でやることにした。
父親がその姿を見て、「おまえもやっぱり男の子なんだな」と言った
2年生になった。トシもボスもチカもみんな別々のクラスになった
俺は、勉強そっちのけで柔道一色。練習も以前よりきついと感じない
朝4時起床→5キロのランニング→朝練→授業→午後練→5キロのランニング
→腕立て、腹筋、スクワット30回ずつ3セット
これを毎日ひたすら繰り返した。筋肉がついてきたのが自分でもわかる
鏡の前に写る自分の姿がたくましく思えた
そして、3年生が引退して2年生が主体になった
乱取りをしていて思う。俺、少しずつ強くなってる。うれしかった。
秋の大会では、人数が少なかったせいもあるが
団体戦のメンバーに選ばれるほどになってた
背もずいぶん伸びていた。いつの間にか母親を抜いていた。
入学した時、150センチなかった身長が、3年になるころには
160センチをゆうに超えていた
3年生になった。友達も増えて、俺はいつもその輪の中心にいた。
勉強はできなかったけど、学校生活がとても楽しかった
その姿が気にくわなかったのか、ボスがまたちょっかい出すようになってきた
おそらく、押さえつけてた先輩達が卒業したせいもあったのだと思う
そんなある日、体育の授業。種目は柔道。
柔道と剣道の授業は、隣のクラスとの合同授業。隣のクラスにはボスがいる
先生が20分ぐらい遅れるらしく、先にランニングと体操をしてるように
と、クラスの1人がみんなに伝えた
ボスとの対決に期待
ボスが同じクラスのヤツ3人連れて俺のところにやってきた
ボス「おまえ、柔道部なんだろ?ちょっと技教えてくんね?
俺は実践派だから軽く試合しよーぜ」
シカトした。柔道はスポーツだから喧嘩に使うなと顧問から言われていたし。
すると「びびんなよ?強いんだろ?」って言って俺の足に蹴りを入れてきた
あの時と同じように、ニヤニヤと人を見下したような顔。むかついた。
俺は「いいよ」って返事して立ち上がった。
いつもの試合とは違う緊張感。高ぶってくる今までにない感情。怖くはない
『勝ちたい』じゃなくて『倒したい』 初めてそう思った
ありがちだがこういう話は好きだぜ
試合形式をとった。審判も1人たてた。囲うようにみんなが観戦する
一応、礼をした。審判から「じゃあ始め」の弱々しい声
お互い右手で相手の道着の胸元をつかんだ。
ボスが俺の左足のふくらはぎ辺りに蹴りを入れてきた。
明らかに足払いじゃない『ビシッビシッビシッ』3発入れられた。
でも俺は動じない。走りに走って鍛え上げた俺の足腰はそんなんじゃ悲鳴をあげない
今度は、踏み込むと同時に右手を道着ごと突き上げてきた
左頬を下から殴られた。そして再び蹴り。左手で引き手を取るかと思いきや
胸に突きを入れられた。
「ほらどうしたぁ?こんなもんか?こいよ」ニヤニヤしてる
『ドン』
俺は体重の乗ってる右足のくるぶし辺りを目がけておもいきり蹴った
以前折られた左足で何度も蹴った。『ドン』『ドン』『ドン』『ドン』
体重が乗ってるから倒れない。痛みだけが残る
明らかに苦痛な表情。そしてその表情が怒りの表情に変わった
「てめぇ」 右手が俺の道着から離れた。チャンス!
すかさず引き手を取った。俺の組み手だ
強引に前に来た。今だ!!!
主将が引退前に俺に教えてくれた技。俺の得意技。背負い投げ
『ズドォン』
きれいに決まった。試合なら間違いなく1本で試合終了
でも俺はやめなかった。すかさず右腕をキメた。腕十字
そのまま手首もキメて締め上げた
ボスが悲鳴をあげた。それでも締め上げた。
ボス「いてえぇ・・まいった。やめてくれ。頼む」
俺は腕を離して立ち上がった。そして、腕をおさえてるボスを見下ろして
「もう1回やるか?」と言った。
ボスは、涙目になっていた
スカッとするな
柔道漫画にできるな
その日、部活が終わって帰ろうと校門を出たところにボスがいた
俺は部活の後輩と一緒だったが、先に帰した
ちょっと付き合えよと連れて行かれたのは、あの時の公園だった
公園にはボスの仲間が2人いた
ボス「おまえ、さっきので勝ったとか思ってんじゃねーだろーな?」
俺「べつに思ってないよ」
ボス「ちゃんと勝負つけようぜ」
俺「・・・・」
ボス「安心しろよ。こいつらは見てるだけだからよ。タイマンだよ」
タイマンって聞いてなんかホッとした。
さっきやってわかったから。俺のほうが強い
またさっきの緊張感と感情が甦ってきた。体が熱い。ドキドキする
殴られた。あの時は1発で倒れてしまった。今は?
痛くない。衝撃はあったが痛みをまるで感じない。
血が顔に跳ねた。今まで味わったことのない感触。なんか気持ちいい。
気づいたら馬乗りになって殴りまくってた。
俺を止めたのは、柔道部の顧問だった。我に返った
殴られた。これはものすごく痛かったのを覚えてる
それ以来、俺の中で何かが変わった。暴力の世界に魅せられた
人を暴力によって制圧することに快感を覚えた。喧嘩したい
俺は、夏の最後の大会を前に部活を辞めた
それ以来、喧嘩に明け暮れた
ゲーセンで悪そうなやつがいれば、あえて絡まれに行ったり
誰かがカツアゲされたと聞いたら喜んでスッ飛んでいった。
でも俺は、自分のことを不良ではないと思っていた
イジメ、カツアゲ、酒、タバコ、クスリの類は全くやらなかったから
女遊びもしない。ただ喧嘩のみ。
喧嘩に勝つことで俺は強いんだって感じる。それが快感だった
なんか展開急に変わってNE?
おいおい変わりすぎwww
秋が終わる頃。学校では、みんな受験勉強してる時期。
俺もせめて高校ぐらいは行きたかったから少し勉強した。
授業をさぼったりとかはしてなかったからなんとかなると思った
冬休みに入り、友達の勧めで塾の冬期講習にも参加した
そして年が明けた。俺は県立高校1本に絞った
偏差値で言うと、下の中ぐらいのところかな
自分で言うのもなんだが結構勉強した。
勉強勉強勉強喧嘩勉強勉強喧嘩ぐらいした
試験を目前に控えた2月14日バレンタインデー
俺はチカに告白された。
チカは、いつの間にかメガネをコンタクトにしてて、ぽっちゃりだった体系も
スレンダーになってた。正直かわいいと思った。たぶん一般的にもかわいいと思う
「小学校の時からずっと好きでした」って言われた。
人生で初めて告白された。普通にテンパった
付き合ってくれとは言われてないし、なんて答えれば・・・
「ありがと。うれしいよ」とだけ言った
その後は何もなし。それだけだった。
俺は志望の県立高校に見事合格した。これで晴れて高校生だ
俺には1つ夢があった。バイクに乗ること。
高校受かったら免許とってもいいと親と約束してたのだ
卒業式は泣いた
ボコられたこと、トシが迎えに来てくれたこと、柔道部に入ったこと
試合で勝ったこと、ボスを倒したこと、喧嘩したこと、勉強したこと
チカから告白されたこと。いろんなことを思い出した。
俺は変われたのかな?強くなったのかな?そう思ったら泣いてた
式が終わってチカを呼んだ
これチョコのお返しって第2ボタンを渡した
そしたらチカは笑顔で「うれしい。これからもよろしくね」って言った。
高校入学式。ボンタンと中ランで行った。初めての電車通学。
身長175センチ、70㌔ 筋トレを続けてた甲斐もあってゴツかった
坊主頭に左目の上の傷跡(ボスにボコられた時のやつ)がハクをつけた
みんな避けていく。気持ちよかった。
式の最中、周りを見渡したら悪そうなのが結構いた。正直わくわくした
式が終わった後、校門を出たところに立って人間観察&絡まれ待ちをした
違う中学の知ってるヤツも何人かいた。俺がやったヤツもいた
ふと、前から歩いてくる女に目をやった。見たことある顔・・・チカだった
同じ高校に入ったこと知らなかったから驚いた
俺の前まで来ると「びっくりした?何してるの?帰らないの?」
一緒に帰ることにした。母親以外の女と歩いたことないから緊張した
何を話したかは、あんまり覚えてないけど、ずっと緊張してたのはたしか。
こんなときに限って・・・
乗り継ぎの駅のホーム。階段に座ってる2人組みのヤンキー
すぐ気づいたから目を合わせないようにチカの方を向いて階段を降りた
「お兄さん彼女連れてかっこいーねー」
やっぱきた・・シカトした
「どうしたのその頭?もしかして野球部?ぎゃははは」
ピクッときたけど、それでもシカトした
「おい!シカトすんなよハゲ!」空き缶投げられた
完全に絡まれた
足を止めた。チカは気にしないで行こうって俺を引っ張った
でもこのパターンは、たぶんシカトでやり過ごせないと思った
ちょっと考えて、2人だし、威嚇してびびらせる作戦に出てみた
振り向いて「ぁあ?」って言いながらおもいっきり睨みつけた
「あ?なんだおまえ、やんのか?」って立ち上がってきた
失敗した。完全に逆効果だった。しかも直後に
「なになに?喧嘩か?」ってもう2人階段を降りてきた
やばい。俺1人でもやられそうなのに、チカもいる・・・どうしよう
俺は足元の空き缶を拾ってそいつらに投げた
すかさずチカの手を取った。
「にげろー!!」
階段を駆け下りて、降りた階段と反対側にある階段まで走った。上った。
「てめえ待てよ」やっぱり追ってきた。振り向いた。距離10mぐらい
改札抜けようと思ったが、人がいっぱいいる。無理だ。
今度は違うホームの階段を駆け下りた。チカが遅い。やばい。
再び反対側の階段まで走った。
前に2人見えた。えっ?振り向いた。後ろに2人・・・
やられた。挟まれた・・・
もうやるしかない
チカに、道をあけるから走って逃げろ。先帰れと耳打ちした
「てめえ逃げ回ってんじゃねーぞハゲ」
近づいてきた。
一番弱そうなヤツに突っ込もうと決めた。狙いを定めた
なんとかなるだろ。よし、いったれー!!ってその瞬間
「おい、そこ何やってんだ!?」
駅員と警察登場。それを見て4人は「やべっにげろ」って走っていった
助かった。俺達も逃げなきゃって思ったけど、やめた。悪いことしてないし
駅員室みたいなとこに連れて行かれて、事情を聞かれた。
実際に被害者だったわけだからすぐに帰された
そしてその日は、そのままチカを送って帰った
なんか疲れた1日だった
初日こそ大変だったが、高校生活は以外にも平和だった
1週間ぐらい経ったころに、同じ1年のデブに喧嘩売られたぐらい
足を払って転ばして上に乗って殴って瞬殺した
中学の頃に、俺が他校に乗り込んで喧嘩してたのを知ってるヤツが
何人かいたから、ほとんど喧嘩売られなかった。
先輩に呼び出しとかされるのかなとも思っていたけど
仲良くなった友達の兄貴が同じ学校の3年にいたから
まあ、なんだかんだでかわいがられた。
だから喧嘩なんかほとんどしなかった。
誰かがやられたときに仕返しに行ったり、あとは絡まれたときぐらい
俺は、16歳になってすぐバイクの免許をとった
親に頼み込んで金を借りて、カワサキのZRXを買った
ノーマルの形が好きだったので、ハンドルとマフラーしかいじらなかった
俺は、その週の土曜にチカを誘った
「どこ行くの?」って聞いてきたチカに「海」って答えた
恥ずかしいけど、よくマンガとかに出てくる、彼女をバイクの後ろに乗せて
海沿いを走るみたいな・・そんなのに憧れてた。
実際は、マンガのようにはいかない。初夏だったその日は、日差しが強くて
走ってるときはいいけど、渋滞で停まったりするとエンジンの熱と日差しの
暑さで地獄だった。チカを乗せて慣れない2人乗りで俺は汗びっしょり。
それでもチカは、風が気持ちいいねって笑ってくれた
海沿いをしばらく走って、バイクを停めて砂浜まで下りた。
暑かったせいもあり、人がちらほら。ズボンをまくって海に入ると
水温はまだ冷たかった。でも汗を掻いて火照った体には心地いい
しばらく遊んだ後、再びバイクで海沿いを走った
小さなトンネルを抜けると、さっきまでとは違った海の景色が広がった
傾いてきた日差しが海に反射してキラキラと光ってる。きれい
思わずバイクを停めた。ちょっと行ってみようか?と言って
反対車線の奥にある低い堤防の下を覗き込むと、そこは岩場だった。
立入り禁止の札があったが、堤防を乗り越えて下りてみた
まさか…
これは・・・
そして平らな岩を見つけてそこに2人で座った
誰もいない2人だけの空間。潮風が気持ちいい
ゆっくりと時が流れた。海の色が変わりはじめている
なんとなくそんな雰囲気になった
チカと初めてのキスをした
こんなとき何て言えばいいんだろう。沈黙がプレッシャーになった
「俺の女になってくれ。大事にするから」
精一杯の勇気を振り絞って弾き出した言葉はそれだった。
当時の俺の頭の中にあった最高にかっこいい言葉だったんだと思う。
チカは「俺の女ってなんかヤクザみたい」って照れたような笑顔で言って
そのあとに「大事にしろよ」って言った
バイクって免許とって一年はニケツできない希ガス
>>202
そこら辺は
多分編集部が上手くやってくれる筈だ!
大事にしろよ
に萌えた
正直この話すきだ
俺達はずっと一緒にいた。登校も下校も休みの日も。
チカのいる新しい俺の高校生活は、ものすごく幸せだった
そんなある日、高校1年の冬。
俺達1年の数名は先輩に「うちのチーム入らないか?」って誘われた。
そこそこ有名なチームだったから友達は喜んだ。近隣の高校と2校の合同チーム
俺は、バイクは好きだけど暴走族とかはあんまり興味がなかったから渋った
でも結局、友達の勧めもあって集会に参加することになった
集合場所は某公園の駐車場。すごいバイクの数。30台ぐらいはあった
みんな楽しそうに話してる。同じ高校の人も結構いた
先輩が俺達に気づいてこっちにきた。白の特攻服・・・かっこいい
「おう、来てたんだ」と言ったあと、俺達を総長に紹介した
先輩「じゃあそろそろ出るから、適当についてこいよ」
そして出発
新世界
外から聞くとうるさいだけのコール音も、中に入れば、あら不思議。快音
先輩達が見せる並走しながらのローリングはまさに芸術。
シートの上に立ってのダンスパフォーマンス。中はまさにお祭り状態
前の車が次々左右に割けていく。その視線が痛いほどに気持ちいい
一瞬でハマった。こんなに楽しい世界があったなんて・・・
俺はチームに入った。そして毎回集会に参加した
警察を撒いたり、たまに遠征先で他のチームと喧嘩したり
非合法な世界だけど、すごく居心地のいい場所
おいおい、チカが泣いてるよ
チカと付き合って1年が過ぎた初秋、この日はチカの誕生日。
俺は、チカに内緒で事前にペアのネックレスを買っておいた
渡す場所はもう決めてある。
以前、雑誌を見てチカがここに行ってみたいと言っていた夜景がきれいな公園
夕方、待ち合わせ場所にチカを迎えに行った。
さっそく目的地に向けてバイクを走らせた。1時間ほどで到着した
俺は、チカきっと喜ぶだろうなぁなんて考えながらニヤついてた
「行こうぜ」って言って、メットを取った彼女を見たら泣いていた
意味がわからなかった。とりあえず、すぐそこにあったベンチに座ることにした
彼女が落ち着くのを待って、詳しく話を聞いてみた
チカの両親は離婚したらしい。前々から仲が悪いというのは俺も聞いてた
まず両方とも、それぞれ長い期間浮気をしていたことが原因
別れた後の親権について・・・
「おまえが母親なんだから面倒みろよ!」
「あなたから別れるって言ってきたんだから引き取りなさいよ!」
「慰謝料払うんだから関係ないだろそれは!」
「関係あるわよ!だいたいあなたはいつも・・・・」
「おまえだって・・・・・」
こんな会話を聞いてしまったらしい
ひどすぎる。かけてあげる言葉が見つからない
チカは声を出して泣いた
「私は邪魔な存在なの?生まれてこなければよかったの?」
俺は、チカの手を引っ張って立ち上がった
そのまま黙って公園に入って、幅が広くて少し長い階段を上った
そこは、俺がプレゼントを渡すと決めてた場所。視界に夜景が広がる広場
「俺がいるじゃねーか。俺がずっとチカのそばにいるよ」 そして・・・
「卒業したら結婚しよ。ずっと一緒にいて欲しいから。俺にはチカが必要だから」
同情の気持ちがあったのかもしれない。若さゆえの勢いだったのかもしれない。
でも俺は一度も後悔しなかった。いままでも・・・きっとこれからも
この日、俺達は家に帰らなかった
その夜、彼女の首にそっとネックレスをつけた
俺はすぐにバイトを始めた。もちろん結婚資金を貯めるため
俺達は、卒業するまでは実家に住んでそれぞれ貯金をするって決めた。
チカに会う時間が減ったけど
友達と遊ぶ時間が減ったけど
集会に参加する回数が減ったけど
それでも目標を持った生活は充実してた
あっという間に3年になった。そして、また暑い季節がやってくる
この日、学校帰りに仲間2人とチカと4人でファミレスに行った
飯を食いながら、いつものようにくだらない話をしてたら
見慣れない制服の3人組に声をかけられた
「ねえ君達、○○(俺達のチーム名)のメンバー?」
たぶんカバンに貼ってあるチームステッカーを見たんだと思う
仲間が「だったら何だよ?」って答えたら、いきなりそいつが殴られた
さすがに中はまずい。俺は、立ち上がって「表出ろよ」って言った
バトル開始
仲間A「おい!おまえらどこのもんだよ?」
敵A「さあ」
敵B「おら、早くはじめようぜ」
俺「おまえら俺が○○の赤服だって知ってて喧嘩売ってのか?」
敵A「赤服?知らねーよ。さっさとこいよ」
ちなみに、黒の特攻服=総長 赤の特攻服=特攻隊長 紫の特攻服=親衛隊
それ以外は白。っていうふうに俺らのときは決まってた。今は知らないけど
とりあえずチカに下がってるように言った
さあどうしようか
立ち位置から考えて3人の中で1番強いのはたぶんAだ
俺はポケットの中に手を入れて、ゆっくり近づいた。1歩・2歩・3歩
3歩目と同時にポケットの中の小銭をAに投げつけた。
条件反射で手でよけようとする。同時に視線がはずれるはず。
ズバリ。スキあり!
がら空きの顔面に一撃。うしろによろけた。
それを支えた後ろの2人の内の1人に、踏み込んで一撃。倒れた
そして顔面を押さえてるAを捕まえた。すかさず投げて倒した。
勝負あり。仲間も参戦して圧勝
尋問タイム
3人を座らせた
俺「で、おまえら何もん?どこのチーム?」
3人は無言
仲間Aが、さっさと吐けよと言って敵Aの顔面に蹴りをいれた
敵A「おまえらたぶん狩られるよ」って小声で言った
詳しく聞こうと思ったら、パトカーのサイレンが聞こえた。
たぶん通報された。タイムアップ
チカを連れて急いでバイクに戻って逃げた。
その夜、チームのやつらに連絡して聞いてみたけど
みんな思い当たるふしがないって感じだった。正体わからず。
でもその日、チームの後輩が3人やられてたことがわかった
そのまま数日が過ぎた
俺は学校が終わっていつものようにチカと一緒に帰った
そしてバイクを停めてある神社の裏に向かった
待ち伏せされてた・・・人数は9人。その中にあのときのヤツらもいた
とっさにチカを逃がした
この頃、俺は183センチあったけど、俺よりでかいヤツがいた
1:9はどう考えても無理だ
チカが逃げ切るまでもう少し時間を稼ごう。援軍を呼んでくれるはず
俺「で、みなさんお揃いで俺に何の用?」
敵A「いやあ、この前世話になったから是非ともお礼にね」
仕返し?ホントにそれだけなのか?
俺「ひとつだけいいか?なんでうちのチームを狙うんだ?」
デカ「おまえらのチームは全員死刑だからだよ!ゴタゴタうるせーよ!」
もう無理かな・・やばい・・・にげろー!
俺は学校の方へ全力で走った。後方から3人追ってきた
逃げながらふと、前に・・向かってくる・・・援軍
>>316
援軍キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
よっしゃあ!形勢逆転
俺は、後ろを振り返った。やつらも援軍に気づいた。逃げた
そして俺は「神社裏だ!早く!」って叫んで追った
神社裏到着。やつらはまだそこにいた
ほどなく援軍も到着。5人・・10人・・20人・・完全に数的優位
それを見てやつらは当然逃げた
俺「逃がすな!やれー!」って叫んで走った
するとデカが、置いてあったチャリをこっちに投げてきた
一瞬ひるんだ。やつらはバラバラに散って逃げた。
俺らもそれぞれバラバラに追った
結局2人だけ捕獲した。そいつらを神社裏に連れていってボコった
そしてチームの幹部に連絡して幹部全員を呼んだ
場所を移した。いつもの集会場
捕まえたやつらはすでに涙目。ちょっと脅したらすぐに吐いた
そいつらは隣の県のチームのやつだった。話を聞くと
1週間ぐらい前に、そいつらのチームの幹部の彼女とその友達が
2人組みの男にナンパされて、無理矢理やられたらしい
その男達のバイクにうちのステッカーが貼ってあったとのこと
もし本当だとすれば非はこっちにあるということだ
しばらくして捕まえたやつらを解放した
次の日、数名に声をかけて調べた。
手がかりは、黒のバイクに白のシート、タンクにドクロのマーク、金髪の2人組み
すぐ判明した。俺の高校の1コ下。2人ともここ数日学校に来てないらしい
幹部数名集めて、夕方そいつらを呼び出した。2人とも素直に認めた
総長が、おまえらのせいで仲間が何人もやられたんだって言って
2人をボコボコにした
2人は泣きながら何度も「すみません」って謝っていた
いろいろと相談した結果、俺達は詫びを入れることにした
明日金曜日、総長と俺とこいつら2人で向こうの地元に行くことにした
17:00にいつもの集会場に集合ということでこの日は解散した
次の日、俺は学校を昼過ぎに早退した
家に帰って少し休んだ。たぶんやられるだろうなぁと思った。
さすがに怖かった
でも行かなきゃと思い、少し早いが特攻服に着替えて家を出た
そしてバイクにまたがってエンジンをかけようとした時
学校のヤツがバイクでやってきた
チカがさらわれた
いやああああああああああああああああああああああああ
やっぱりな
特攻隊長!どうするんだよ!
チカがさらわれたあぅあぅあぅ
学校の帰り道にさらわれたらしい。
その時一緒にいた俺の仲間2人もやられた
俺はそいつに、総長に先に行くと伝えてくれと頼んだ
そして俺は、そのままやつらの地元に向かった
めいっぱい飛ばした。時間はまだそんなに経ってないはず
心臓が爆発しそうだ。胸騒ぎがする。苦しい
頼む、無事でいてくれ。頼むから・・・
もし、チカに何かあったら・・・そのときは・・
俺はたぶんそいつらを・・ころす
1時間ぐらいでやつらの地元に着いた。まだ外は明るい
特攻服だから目立つ。いま警察に捕まるわけにはいかない
俺は近くのパチ屋の駐車場にバイクを停めた。
そして特攻服の上着を脱いで、歩いて駅周辺をうろついた
それらしきヤツを見つけては、捕まえて情報を集めた
刃向かうヤツは容赦しなかった
1時間ぐらい経って、やつらの学校と集会場をつきとめた
時間は18:00を回ってる
俺は集会場へ向かった
やべードキドキしてきた
集会場に着いた。バイクの音が聞こえた。その音の方向へ向かった
見つけた!チームのやつだ。人数は3人
俺は、入り口にバイクを停めてそいつらに近づいた
そいつらも俺に気づいて立ち上がった
敵「おい、なんだてm」
なにも言わずにそのまま殴った。隣にいたやつにも1発入れた
倒れたやつの胸ぐらを掴んで2・3発殴った
敵はすでに戦意を喪失していた
俺「おまえらの幹部どこにいる?」
敵「知らないです。俺ら下っ端なんで。ほんとです。勘弁してください」
俺「はやく言え」 もう1発殴った
聞き出した。いるかどうかわからないが、いつもたむろってる場所
俺はバイクでそこに向かった
そこは工場地帯。少し広めの道の左右に工場や倉庫が並んでる
つきあたりまで進んで右に曲がった。そこにバイクを停めた。
いざというときのためにシート裏に入れてあるメリケンを持った
ここからは歩いていった。
そのまましばらく進むと右手に視界が開けた
その先に、所々に廃品が積み上げられている広場みたいなのがあった
広場の奥に倉庫がある
そして倉庫の前に黒の車が1台、バイクが5台停めてあった
バイクの前に2人いるのが見える
ここだ。間違いない
俺は、メリケンを右手に握って廃品に隠れながら倉庫に近づいていった
その時、 「おい!」 真後ろから声がした
振り向いた。敵だ!
瞬間、右のこぶしで顔面を殴った
『ごきゃ』 鈍い音がした。
顔面を押さえてしゃがみこんだ腹に蹴りを突き上げた
「ぎゃああああ」敵が声を上げた
前を見た。気づかれた。行くしかない!
「おらぁあ!!」バイクのとこにいる2人に向かって走った
げっ!俺は立ち止まった。
車から人が降りてきた。1・2・3・・4人
倉庫からも・・・3人
9人・・・でも今回は逃げるわけにいかない
息を整えながら歩いて近づいた
俺「チカを返せ」
敵「あ?まさかおまえ1人できたのか?」
俺「いいから早く返せ」
敵「まあまあ、焦るなよ。ちゃんとそん中にいるからよ。しかし1人とは驚いたな。
じゃあ、おまえの勇気に免じて俺が勝負してやるよ。俺に勝ったら返してやるよ」
俺「・・・ほんとだな?」
敵「ああ。勝ったら・な」
こんな状況でタイマンか・・・よっぽど自信あんだな
身構えた。久々に喧嘩で緊張した
最初の一撃を入れれば勝てる。俺は、相手の呼吸をはかった
下はジャリ。間合いを少しずつ詰めながら、左足のつま先にジャリを乗せた
もう少し・・もう少し・・
ふと、相手の視線が右にそれた。いまだ!!!
左足を蹴り上げた
『パキン』
頭の中にそう響いた
いてぇ・・・なんだ?・・・血?・・
うそだろ・・・
タイマンじゃ・・
マジ・・かよ・・・
チカ
時間がどれだけ経ったのか
気がついたら周りに仲間がいた
夢か?・・
全身が痛い。頭がボーっとする。ここは・・・倉庫
飛び起きた。チカ!!
俺は、仲間を割いて倉庫の扉を開けた
暗くてよく見えない
「チカーーー!!」
「・・・・アキ・・」
チカの声だ!チカの元へ走った
よかった。無事だった
なんだよこれ・・
チカの顔・・傷・・・
髪の毛が
制服が
足が
くつが
チカは強姦された
ゆるさねえ
ころしてやる
俺は、チカにボロボロになった特攻服の上着をかけた
そして「待ってろ。ぶっ殺してくるから」
と言って出口へ向かった。後ろからチカの声がした
チカ「もう行かないで」
チカ「私は平気だから。なんともないから。」
俺「平気なわけねーだろうが!」
俺は、思わず声を荒げた。すると
チカ「お願い。私は本当に平気だから。こんなのへっちゃらだよ
ね?だから忘れて?私も忘れるから。ね?お願いだから」
俺は、しばらくその場にたたずんでいた
そして、おもいっきり倉庫の壁を殴った。鈍い金属音が響いた
そしてチカを両腕に抱えて外に出た
いつの間にか見入ってしまっている。。
外に出るとみんなが待っててくれた。涙を流しているやつもいた
みんな状況を把握していたのだと思う
俺はチカを抱えたまま無言でその前を通り過ぎた
総長に一言だけ。報復はしないで欲しいってお願いした
それと、しばらくチカと一緒にいるから学校を休むと伝えた
その日はホテルに泊まった
次の日、俺はチカを連れて一旦家に帰った
着替えと通帳を取りに行くため
俺の部屋に母からの置手紙があった。
そこには電話番号と、ここに電話するようにとだけ書いてあった
その番号に電話してみた。1コ上の先輩だった
総長から事情を聞いたと言われた。そして、ここに来いと住所を言われた
荷物をまとめて、居間のテーブルに心配するなとメモを残して家を出た
チカの家にも寄って同じく荷物を持ってからその場所に向かった
ボロいアパート。ドアをノックすると先輩が出てきた
中に入れと言われてチカと入った。6畳ぐらいの1kの部屋
先輩「俺、明日から1ヶ月住み込みの現場入るから、この部屋使えよ
狭いけど2人ならなんとかなんだろ。金ないんだろ?」
俺「いや、でも・・・」
先輩「金はいらねえからよ。じゃあ俺そろそろ行くからよ
使わねーならカギ閉めてポストに入れといてくれりゃいいから」
じゃーなって言って、カギをテーブルに置いて出て行ってしまった
俺は、急いで玄関を出て先輩に向かって「ありがとうございます」って叫んだ
先輩いいやつ
俺達は、そこで2人だけの生活を始めた
チカの心の傷は時間とともに消えていくだろうと信じて
そして次の日から俺は、チカと住む家を探して不動産屋をまわった
保証人が立てられないから、なかなか見つからなかった
やっと見つかった。即日入居可で保証人なしで入れるところ
家賃4万5千円で、一応風呂とキッチンもある。すぐ契約した
そして先輩にお礼の手紙を残して新居に引っ越した
テーブルと冷蔵庫とテレビしかない部屋だけど、うれしかった
夏休みに入り、俺はバイトに明け暮れた。
バイトで食い繋ぐギリギリの生活だったけど楽しかった
事件から2ヶ月が過ぎ、高校最後の夏休みが終わったある日の夜
チカの様子がおかしい。どうしたの?って聞くと、しばらくして
チカ「赤ちゃんができたみたい」
俺は固まった。頭の中にあの事件がよぎった・・・まさかな・・・
チカの頭の中にもきっと・・・
俺達の子供だよな・・・
しばらく2人とも無言になった
俺「産んでくれよ、俺達の子供。な?」
チカは、「うん」ってうなずいた
俺「予定より早くなったけど、結婚しよ。幸せになろーぜ」
俺達は、卒業を待たずに結婚することになった
まじか?これは…
当然だけど、俺は学校を辞めて働くことにした。
退学届けを出した日、総長に言ってチームのみんなを集めてもらった
俺は、最後の特攻服を着て集会場に行った。みんな集まっていた
「みんなわりぃ。俺、先にチーム抜けるわ。チカと結婚する
今日学校も辞めてきた。もうちょっとみんなと走りたかったけど、ごめん」
引き止められたりもしたけど、最後は拍手で送り出してくれた
社会から少しだけはみだしてるけど、かけがえのない最高の仲間達
俺は今でもそう思ってる
2日後、俺宛に招待状と書かれた封筒がポストに入ってた
開けてみると、引退式と書いてあって俺とチカの名前が書いてあった
その下に日時が記されてた。場所は俺の家・・・???
わけのわからぬまま当日
一応、特攻服を着て待機してた。『ファン』とクラクションの音がした
外に出てみると、チームのヤツだった。車??
チカを連れて外に出ていくと「早く後ろに乗れ」と・・・
バイクは?って聞くと、お腹の中に赤ちゃんいるのにバイクはダメだろと
言われた。言われるがままにチカと後部座席に乗り込んだ
集会場に着くと、すでにみんな集まってた
総長「今日はアキとチカの引退式だ!派手にいくからヨロシク!」
と出発の号令をかけた
車での参加は始めてだから違和感があったけど
久しぶりの集会に胸が躍った
いつもの心地いいアクセルサウンド。俺が魅せられた非合法な世界
いつものルートを通って国道に出た。俺らの車が先頭に立つ
そしてここで、一台ずつ俺の乗ってる車の前に出てのローリング
うちのチームの引退セレモニーだ
左右に揺れるテールランプが、そいつらとの別れの合図
ああ、これが本当に最後の集会なんだと思ったら自然に涙が出てきた
俺は涙でぼやけながらも、そのテールランプを見ていた
国道を抜けると、ルートが変わった
そしてしばらく行ったところで車が停まった
前のバイクもみんな停まってる
警察?他のチームとカチ合ったか?
俺は状況が把握できないでいた
鬱展開らめえええええええええええええええええええええ
すると総長が車まで来て「降りてこっちにこいよ」って言った
総長に連れられてしばらく歩いていくと、そこには汚いガレージがあった
ガレージにはシャッターがおりている
ちょっとここで待てと言われて、チカとシャッターの前で待った
目の前のシャッターが突然開いた。これは・・・
白く塗られた1本の道
その先にある教壇
その上にある手作りの十字架
総長「結婚式やろーぜ」
やべぇ素でないちまった
なんか急に画面がぼやけてきた
特攻服の神父に笑った
新婦の父親代理をかってでた総長が一番緊張してた
みんなが見てる前での誓いのキスはドキドキした
途中で十字架が落ちてきてびびった
流れがわからなくて、とりあえずみんなでアーメンと声を合わせた
めちゃくちゃな結婚式だったけど
仲間の気持ちが痛いほどに伝わった
俺は、最高の結婚式をあげることができた
今でも胸に残っている一生の思い出だ
それから数ヶ月後
20時間を超える難産だったけど、母子ともに無事に出産を終えた
小さい体を震わせて泣いている我が子は、弱々しくも暖かくて、やさしくて、
まるで本当の天使かと思うぐらいかわいかった
俺達はその天使を、『ミキ』と名づけた(漢字は伏せさせてもらいます)
妊娠中に二人で考えて決めていた名前
DNA鑑定とかは考えなかった。どっちの子供でも俺の子として
育てるつもりだったから。血液型は一応大丈夫だったけど・・・
親の反対を押し切って結婚したので、両親とは疎遠になりかけていたが
退院後、ミキを連れて俺の実家に行くと、今までの反対が嘘だったかのように、
これでもかってぐらいにかわいがってもらえた。
残念だが、チカの両親はすでにどこにいるのかわからなくなっていた
俺は、がむしゃらに働いた
お世辞にも裕福とは言えなかったけど、それなりに生活はできた
休みの日に公園で遊んだり、たまに動物園や水族館に行ったり
誕生日やクリスマスにはプレゼントを買ってみんなでお祝いしたり
そんな普通の生活だったけど、チカがいてミキがいて・・・俺は幸せだった
>俺は幸せだった
過去形が気になる。
そして月日は流れ、ミキの3歳の誕生日を2ヵ月後に控えたある日
仕事を終えていつものように帰ると、チカがうずくまって咳をしていた
チカは1ヶ月ぐらい前から風邪を引いていて、なかなか治らなかったのだ
そのちょっと前にミキが風邪を引いてたので、うつったのだと思っていた
数日後、俺は夜中にふと起きた。布団にチカがいない。
起き上がってチカを探すと、チカは風呂場でうずくまって咳をしていた
なんか変だ。呼吸が苦しそう。俺は、やばいと思ってすぐ救急車を呼んだ
翌日、医者からあまりにも残酷な宣告を受けた
まさか…
そんなチカ・・・・
チカの体は、癌におかされていた
全身に転移していて、もう手の施しようがないと言われた
進行が早く、2ヶ月もたないだろうと・・・
何を言われてるのかわからなかった
死ぬ?あと2ヶ月?
何言ってんの?
冗談言うなよ
そんなわけないだろ
だってまだ21歳だぜ
癌?末期?
ふざけんなよ!
受け入れるなんて無理だよ
病室に戻ると、チカとミキが話してた
俺「過労だって。疲れがたまって風邪が治りにくくなってるから
入院してしっかり治したほうがいいって」
チカ「そっか。迷惑かけてごめんね。」
俺「いいよ。それより早く治せよ。そしてミキの誕生日はみんなでどっか行こう」
チカ「うん。」
嘘をついた
そしてしばらく話して、離れたくないって泣きじゃくるミキを連れて
2人で家に帰った
その夜ミキを寝かしつけた後、実家に電話して母親にすべてを告げた
そしてミキの寝顔を見ながら、少しずつ現実を受け入れた
チカは、日に日に衰弱していった。全身の痛みがひどくなってきた
もう弱い薬じゃ痛みを抑えられないほどになった
チカ「ねえアキ?私の病気はなに?本当のこと教えて」
俺は、覚悟を決めた。そしてチカに本当のことを言った
チカ「そっか。やっぱりなぁ。アキは嘘つくと顔に出るからね。
本当のこと言ってくれてありがと。」
チカは笑顔でそう言った。
俺「怖いか?」
チカ「・・・・うん。」
俺「チカの体はなくなっちゃうかもしれないけど、
チカの心は、俺とミキの中に生き続けるから・・・ずっと一緒だから」
そう言うとチカは声を出して泣いた。
きっと怖くて怖くて仕方なかったんだろう
俺は、その痩せ細った体をしばらく抱きしめていた
それから数週間後
ミキの3回目の誕生日を待たずしてチカは天国へと旅立った
チカは最後までがんばった
強い薬を使って痛みを抑えることもできたのだが、チカはそうしなかった
強い薬は、痛みとともに感覚や意識までも取ってしまうからだ
チカは最後の瞬間まで俺やミキと一緒に居たい
そう言って痛みに耐えることを選んだ
最後のとき、俺は、チカの手を握って見守っていた。
すると、呼吸器越しにチカの口が動いているのが見えた。
何か言いたいのか?俺は、思わず呼吸器をはずして耳をチカの口元に寄せた
声にはなっていなかった。ただ生暖かい空気が俺の耳に数回触れただけ
でも、俺にはわかった。チカの心の声が俺にははっきりと聞こえた
彼女は確かにこう言った。
ありがとう
うああああああああああああああ
あれ眼から汁が・・・
その夜、俺は一晩中泣いた
チカとの思い出、病気の憎さ、寂しさ、不安
頭の中をいろいろな思いがぐるぐると回った
チカは幸せだったんだろうか
俺はチカの支えになれたんだろうか
そんなことをずっと考えていた
そしてミキの寝ている寝室にいき、その寝顔を見ながら
俺が、チカの分までミキを愛そう。2人で強く生きていこう
そう心に誓った
これはやばい・・・・目から水が・・・・
全俺が泣いた
一気に読みました
涙が止まりません
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここまで12回泣いた
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やべっ…泣いてる俺
葬儀が終わって数日が経った
ミキ「ねえパパ?ママはどこいったの?もう帰ってこないの?」
俺 「ママはちゃんといるよ」
ミキ「え?どこに?」
俺 「ミキ、目をつぶってごらん」
ミキ「・・・・こお?」
俺 「うん、そう。そしてママのこと思い出してごらん」
ミキ「・・・・・・」
俺 「ママは何してる?」
ミキ「お買い物してる」
俺 「そっか。何買ってるの?」
ミキ「えーとねぇ、にんじんと、卵と、アイスと・・・いっぱい買ってる」
俺 「そっか。ママは笑ってるかい?」
ミキ「うん。ママ、笑ってるよ」
俺 「そっか。ミキ、目を開けてごらん。
ね?ちゃんとママはいたでしょ?そうやってパパやミキの心の中で
ママはずっと一緒にいるんだよ。わかる?」
ミキ「う~ん・・・・・・・わかんない」
(´;ω;`)ブワッ
。・゚・(ノД`)・゚・。
先生、泣いてもいいですか?
俺は、ミキと2人で暮らした。
何度も実家に帰ってこいと言われたが、ミキと2人で暮らすことを選んだ
そして精一杯の愛情を注いだ。できることはすべてやった
ミキが笑ってくれるなら、どんなことだってやった
行きたいとこがあると言えば連れて行ってあげた
欲しい物があると言えば何でも買ってあげた
親バカかもしれないけど、そんなのは愛情ではないのかもしれないけど、
母親がいないことでミキに寂しい思いをさせたくなかった
ただそれだけを考えていた
そして月日は流れていった
ある夜、俺が酒を飲んでいると、ミキが俺のとこにやってきて
「私もちょっともらおうかな」と言って、自分のグラスを持ってきて
俺の缶ビールをその中に少し注いだ。そしてひと口飲み終えて
「ねえ、覚えてる?私が小学生のとき、大切な手鏡をドブに落としちゃった時のこと。
2人で暗くなるまで泥まみれになりながら探したね。
あと、中学生の時だっけ?私が隣のクラスの男子にいじめられて泣いてたら
お父さん、その子の家に怒鳴り込んで、向こうのお父さんを殴っちゃって。
お父さんは知らないかもしれないけど、あの後、結構大変だったんだから。
あと高校生の時、私が黙って外泊した時。
初めてお父さんに手をあげられた。痛かったなぁ。
なんか懐かしいね。
ねえ、お父さん?
私、お母さんいなかったけど、一回も寂しいなんて思ったことなかったよ。
お父さんがいつでも側にいてくれたから。だから私、すごく幸せだったよ
お父さん、20年間私を育ててくれてありがとうございました」
お い つ い た
書籍化決定だな
その言葉を聞いて俺は涙を流した
チカが旅立った日、強く生きようって決めた日
あの日からずっと流すことのなかった涙
いろんな思いが次から次へと溢れ出てきて胸がいっぱいになった
その翌日、ミキは結婚した
純白のドレスをまとったその姿は、とても綺麗だった
俺はその姿を見ながら、我が子の幸せを心から願った
ミキが結婚式を挙げた日
知ってか知らずか、その日は俺とチカの結婚記念日だった
おしまい
最後まで読んでくださった方ありがとうございました。
おつ!
涙が…
>>1
おつかれさまでしたー 今週のジャンプより5倍は面白かったです
次回作期待してます 先生
この物語はフィクションです
登場人物、ストーリーは全て架空のものです
乙!!!!!
1ありがとう このスレに出会えてよかった。
乙!!!!
感動したわ!!
>>747
うはぁwww いい作品でした!
>>1の本当のスペックは?
俺は、27歳ですwww
普通の会社員です
なんか小説を書きたくなったのでついwwww
乙ですノシ
最後あたり展開が急すぎた感があったけど面白かった
次回作はヤンキー物じゃない方が良いです、先生!!!!!!!
>>1
乙
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コメント
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(21027) Posted by ( ´_ゝ`)
#- 2007.09.30 Sun 01:00 URL [ Edit ]
-
(21037) Posted by ( ゚д゚ )
読めよ#- 2007.09.30 Sun 01:33 URL [ Edit ]
-
(21041) Posted by ( ´_ゝ`)
フィクションかよwwwwwwwwwww
でもおもしろかった!!#- 2007.09.30 Sun 01:55 URL [ Edit ] -
(21043) Posted by ( ´_ゝ`)
あれだな。完全にリアル鬼ごっこ超えたな。
・・・、誰かこれを原作に漫画書いて、マガジンに持ち込んでくれ。
マガジン、ヤンキー漫画が一本もない状態なんだよ、今。#- 2007.09.30 Sun 01:59 URL [ Edit ] -
(21046) Posted by (つー;)
書籍化してもいいんじゃね?#U2qCSQhA 2007.09.30 Sun 02:07 URL [ Edit ]
-
(21049) Posted by ( ´_ゝ`)
ありきたりかもしれないが、それだけじゃない力強さを感じた。よかったよ。#- 2007.09.30 Sun 02:29 URL [ Edit ]
-
(21050) Posted by ( ´_ゝ`)
作者さん乙です。
ケータイ小説の定番をなぞらえてるって感じもするけど、
たまにはこういうのもいっか。#mQop/nM. 2007.09.30 Sun 02:37 URL [ Edit ] -
(21051) Posted by ( ´_ゝ`)
最初浦沢直樹で、高校からクローズの人で、結婚してから岩明均で漫画化してくれたら俺は死ぬ気で集める。#- 2007.09.30 Sun 02:39 URL [ Edit ]
-
(21052) Posted by ( ´_ゝ`)
つまんねwwww
よんでないけどwwwww#- 2007.09.30 Sun 02:57 URL [ Edit ] -
(21053) Posted by ( ´_ゝ`)<乙
フィクションか・・・
でも、これのお陰で季節の変わり目で鼻が詰まって死にそうだったのに、鼻水が出て少し呼吸が出来るようになった。
ありがとう。#- 2007.09.30 Sun 03:02 URL [ Edit ] -
(21054) Posted by ( ´_ゝ`)
気づいたんだが、最初からフィクションって知ってりゃ
糞つまんねー三文小説じゃないかこれ。よんでねーけど。#- 2007.09.30 Sun 03:08 URL [ Edit ] -
(21055) Posted by ( ´_ゝ`)
>>371
は何が新しいのか#- 2007.09.30 Sun 03:22 URL [ Edit ] -
(21057) Posted by ( ´_ゝ`)
べったべた。70年代臭。#- 2007.09.30 Sun 03:42 URL [ Edit ]
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(21058) Posted by ( ゚д゚ )
これは細かい設定を付け直して本格的に書籍化を考えた方がいいかもしれない。#3fIBvpkA 2007.09.30 Sun 03:46 URL [ Edit ]
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(21064) Posted by ( ´_ゝ`)
「サラリーマン金太郎?」と思って途中すっ飛ばしたら、やっぱりパクリの作り話か
全部読んでたら時間の無駄になるところだった#- 2007.09.30 Sun 06:14 URL [ Edit ] -
(21065) Posted by ( ´_ゝ`)
最初は面白かったが途中から恋愛系の話になって萎えた
食傷気味
この手のスレはもう読まないことにする#- 2007.09.30 Sun 06:36 URL [ Edit ] -
(21068) Posted by ( ´_ゝ`)
べたすぎて呼んでてかなり恥ずかしくなった。#- 2007.09.30 Sun 06:51 URL [ Edit ]
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(21072) Posted by ( ´_ゝ`)
正直すげーしらけた気分で読んでたんだが
不良美化って嫌いだしあまりに展開が安っぽいし#- 2007.09.30 Sun 08:13 URL [ Edit ] -
(21077) Posted by ( ´_ゝ`)
>>1は間違いなくカジキマグロを釣った事がある
釣りの才能ありすぎだろw
泣いたわ#- 2007.09.30 Sun 09:27 URL [ Edit ] -
(21083) Posted by ( ´_ゝ`)
ケータイ小説(笑)おもいだした#- 2007.09.30 Sun 10:07 URL [ Edit ]
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(21085) Posted by ( ´_ゝ`)
ヤンキーになったあたりですっ飛ばして正解だった
もうこういうのやめてくんないかな#- 2007.09.30 Sun 10:13 URL [ Edit ] -
(21091) Posted by ( ´_ゝ`)
「ごきゃ」鈍い音がした、とかw
でも、別に良かったよ。#- 2007.09.30 Sun 11:21 URL [ Edit ] -
(21094) Posted by ( ´_ゝ`)
米21
な ら よ む な 。#- 2007.09.30 Sun 11:42 URL [ Edit ] -
(21096) Posted by ( ´_ゝ`)
よくありがちな展開。
いずれにせよDQNは有害。#- 2007.09.30 Sun 11:50 URL [ Edit ] -
(21099) Posted by ( ゚д゚ )
スイーツ(笑)←これ思い出した#- 2007.09.30 Sun 12:18 URL [ Edit ]
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(21104) Posted by ( ゚д゚ )
なぜこのスレは携帯でみれないの?#- 2007.09.30 Sun 13:29 URL [ Edit ]
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(21105) Posted by ( ´_ゝ`)
ストーリーがゴロンゴロンだったけど単純にベタでおもしろかったw#- 2007.09.30 Sun 14:04 URL [ Edit ]
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(21107) Posted by ( ´_ゝ`)
柔道やっててこの身長の伸びの時点で釣りだとわかってしまった。#- 2007.09.30 Sun 15:15 URL [ Edit ]
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(21111) Posted by ( ´_ゝ`)
なんか古い少女マンガ思い出した。
なんだっけかな?
作者名(紡木たく?)はなんとなく思い出せるんだけどな。#- 2007.09.30 Sun 16:39 URL [ Edit ] -
(21113) Posted by ( ゚д゚ )
フィクションでよかったよ。
チカも強姦されてないし、癌で死んじゃったわけでもないんだから。#wLMIWoss 2007.09.30 Sun 17:07 URL [ Edit ] -
(21115) Posted by ( ´_ゝ`)
ボスとの柔道で右手が離れたから…ってところで釣りだとわかった途端つまらなくなった
釣りなら釣りらしくもっとはっちゃけてもいいのにww#- 2007.09.30 Sun 17:31 URL [ Edit ] -
(21116) Posted by ( ´_ゝ`)
つまんね#- 2007.09.30 Sun 17:40 URL [ Edit ]
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(21119) Posted by ( ´_ゝ`)
何から何まで鬱陶しいセンズリ話と思ったらウソか。
安心した。#- 2007.09.30 Sun 18:17 URL [ Edit ] -
(21122) Posted by ( ´_ゝ`)
族とかヤンキーとか人様に迷惑かけて自由気ままに生きてたくせに
更正(笑)した途端に美談になるから気に入らん。#- 2007.09.30 Sun 18:27 URL [ Edit ] -
(21128) Posted by ( ´_ゝ`)
なんというケータイ小説#- 2007.09.30 Sun 19:13 URL [ Edit ]
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(21129) Posted by ( ´_ゝ`)
なんだ、癌で死んだチカとかいねーんじゃんwwwwwww
アホらしwwwwwwww泣いた時間返せwwwwwwww#- 2007.09.30 Sun 19:17 URL [ Edit ] -
(21138) Posted by ( ´_ゝ`)
米36
対して「不治の病で死にそうな赤ん坊がいるんです」という詐欺に引っかかり、
大金を騙し取られた某テニス選手はこう言った。
「詐欺だったって?それは今日聞いた中で一番言いニュースだ。良かった、病気の赤ん坊は居なかったんだな」#- 2007.09.30 Sun 19:55 URL [ Edit ] -
(21144) Posted by ( ´_ゝ`)
主人公が暴力で征服する事に快感を見出す大したDQNで、
自分の欲望のために、女を巻き込んで酷い目に合わせ、
あからさまなお涙頂戴劇でそれを誤魔化しているわけだ。
唯一、作者の才能を認めることができるとすれば、
事実であると、読者に思わせたという部分。
ただ、それは裏を返せば、
創作だと断った状況では評価を得る自信が無かったという事。
ただなんとなく創作であることを隠してサプライズ展開にしようと思ったなら、
何も褒めるべき部分が無い。#- 2007.09.30 Sun 21:05 URL [ Edit ] -
(21146) Posted by ( ´_ゝ`)
悪ぶってなくて、恋人が病気で死なない、最初からフィクションと断った上での、良作も読んでみたい。#- 2007.09.30 Sun 21:31 URL [ Edit ]
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(21148) Posted by ( ´_ゝ`)
短絡的な喧嘩は主人公と言えども美化できず、泣くまでには到底至らなかった。
それでもいい話だった。有難う。#- 2007.09.30 Sun 21:37 URL [ Edit ] -
(21149) Posted by ( ´_ゝ`)
なにこの批判厨の多さワロタwww#- 2007.09.30 Sun 21:40 URL [ Edit ]
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(21152) Posted by ( ´_ゝ`)
べただって意見がかなりあるけど
最近こういうのないから逆に新鮮に映る。
書籍化とは行かないかもしれんが素で面白いいい話だと思った#- 2007.09.30 Sun 21:55 URL [ Edit ] -
(21154) Posted by ( ´_ゝ`)
君ら少しは楽しみながら読めよ#- 2007.09.30 Sun 22:17 URL [ Edit ]
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(21155) Posted by ( ´_ゝ`)
喧嘩してたから波乱万丈ってオモロスww#- 2007.09.30 Sun 22:24 URL [ Edit ]
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(21163) Posted by ( ゚д゚ )
金払って読んでるわけでも、プロの批評してるわけでもないんだから
別に細かいことぐだぐだ批判しなくていいじゃん。
わくわくした、はらはらした、最後にじーんと、うるうるした
面白かった。で、いいのにね。#- 2007.09.30 Sun 23:33 URL [ Edit ] -
(21165) Posted by ( ´_ゝ`)
卵かんけいねええええええ
おもろかったからいいや#- 2007.09.30 Sun 23:53 URL [ Edit ] -
(21180) Posted by ( ´_ゝ`)
まじで書籍化しとけwww
おもろかったです!#- 2007.10.01 Mon 00:47 URL [ Edit ] -
(21203) Posted by ( ´_ゝ`)
創作ならせめて彼女の強姦シーンはやめて欲しかった
そんだけ#- 2007.10.01 Mon 04:57 URL [ Edit ] -
(21205) Posted by ( ´_ゝ`)
これ読んで喜んでる奴はケータイ小説(笑)馬鹿にできんぞ。幼稚。
>45
世間に向けて発表した限り、当然批判もあるだろ。何言ってんの。#- 2007.10.01 Mon 07:34 URL [ Edit ] -
(21208) Posted by あ
こういうのって本当なのか嘘なのかわからないから面白く感じる
だからあからさまに架空の話だとわかった時点でしらける罠
まぁ釣られてしまったんだろうが
素人の書いた小説なんて読みたくもないって
言いたくなる気持ちもわかるぜ#- 2007.10.01 Mon 09:35 URL [ Edit ] -
(21215) Posted by ( ´_ゝ`)
一杯の掛そばが批判されたのとおんなじ原理じゃね
それを抜かしても暴力に目覚めたあとの下りは類型的
で蛇足だったかも#- 2007.10.01 Mon 10:35 URL [ Edit ] -
(21233) Posted by ( ´_ゝ`)
たのしめたw#- 2007.10.01 Mon 12:09 URL [ Edit ]
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(21236) Posted by ( ´_ゝ`)
1もフィクションといっているのに釣り言ってる奴は相当空気が読めないみたいでつね
文才に嫉妬乙#- 2007.10.01 Mon 12:19 URL [ Edit ] -
(21239) Posted by ( ゚д゚ )
最初からフィクションとわかっていれば
読む気の起きない陳腐な内容なんだがなwww#- 2007.10.01 Mon 12:32 URL [ Edit ] -
(21250) Posted by ( ´_ゝ`)
書籍化決定だなこれは・・・#Nc2AnN8g 2007.10.01 Mon 14:31 URL [ Edit ]
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(21270) Posted by ( ´_ゝ`)
書籍化は無理だろ、、、ベッタベタの三文ドラマ#- 2007.10.01 Mon 17:39 URL [ Edit ]
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(21285) Posted by ( ´_ゝ`)
鬱展開いらねぇ#- 2007.10.01 Mon 20:59 URL [ Edit ]
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(21288) Posted by ( ´_ゝ`)
米54
お前さんは同じ内容でも、事実でさえあれば喜んで読むのかいw#- 2007.10.01 Mon 21:52 URL [ Edit ] -
(21295) Posted by ( ´_ゝ`)
この話より米37のほうが感動した。#- 2007.10.01 Mon 23:08 URL [ Edit ]
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(21296) Posted by ( ´_ゝ`)
まぁノンフィクションとフィクションで感情移入に
差が出るのは当たり前の話なんじゃねぇの
これの場合はリアリティの面で甘いから途中で
フィクションだって判っちゃうけどさ#- 2007.10.01 Mon 23:16 URL [ Edit ] -
(21309) Posted by ( ´_ゝ`)
米58
陳腐って意味分かる?#- 2007.10.02 Tue 00:08 URL [ Edit ] -
(21315) Posted by ( ´_ゝ`)
米61
陳腐な事実→読む
陳腐な物語→読まない
だからどっちも陳腐なのに事実なら読むんだなっていう
米58の指摘の反論にはなってないんじゃないかな
実際には感情移入に差が出てくるから米58の言ってることも
的外れだとは思うが#- 2007.10.02 Tue 00:31 URL [ Edit ] -
(21418) Posted by ( ´_ゝ`)
チラ裏だわ#- 2007.10.02 Tue 16:41 URL [ Edit ]
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(21824) Posted by ( ´_ゝ`)
飛ばしながら読んだが正直何が面白いのかわからない。#- 2007.10.03 Wed 21:08 URL [ Edit ]
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(21867) Posted by ( ´_ゝ`)
米64
飛ばさずに読んでから言うべきだろ#- 2007.10.04 Thu 00:12 URL [ Edit ] -
(35330) Posted by 名無しさん
男の携帯小説ってやつだな#- 2008.01.15 Tue 22:17 URL [ Edit ]
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(45706) Posted by 名無しさん
うーん見事だな。もやしっこはこうしてゾッキーになるのか。参考になる
まあ何にせよ、犯された女の子がいなくてよかったよ#- 2008.04.02 Wed 19:39 URL [ Edit ] -
(51770) Posted by 名無しさん@お腹いっぱい。
喧嘩や暴走族とかかわらなきゃチカが強姦されることも無かったわけで自業自得じゃね?#- 2008.05.27 Tue 18:58 URL [ Edit ]
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(59895) Posted by 名無しさん@お腹いっぱい。
レイプされた子が本当はいなかったってので、まじ安心した。
レイプのくだりは心臓が破裂しそうだったよ#- 2008.08.02 Sat 00:18 URL [ Edit ] -
(65905) Posted by 名無しさん@お腹いっぱい。
簡単にレイプとか人の死を扱うな
世に垂れ流すな
#- 2008.09.21 Sun 16:09 URL [ Edit ] -
(69648) Posted by 名無しさん@お腹いっぱい。
フィクションで良かった以外の感想がないわ#- 2008.10.28 Tue 04:02 URL [ Edit ]
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(104816) Posted by 名無しさん@お腹いっぱい。
何かほっとしたわ
文章が流暢やからフィクションやろうとは思ったケド#- 2009.05.21 Thu 10:19 URL [ Edit ] -
(113955) Posted by ( ゚д゚ )
よかった、死んだチカちゃんは居なかったんだね。
全力で釣られるスレ住人に和み和みw#- 2009.09.14 Mon 14:40 URL [ Edit ] -
(114138) Posted by 以下、ねら速がお送りします
恋空(笑)となんもかわんねーじゃねーか。泣いたとかレスしてるねらーってなんなの?
馬鹿じゃね#- 2009.09.16 Wed 23:59 URL [ Edit ] -
(118990) Posted by 名無しさん@お腹いっぱい。
>>74に同意。#- 2009.11.15 Sun 10:20 URL [ Edit ]
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(119277) Posted by ( ゚д゚ )
全部読みましたがよかったですよ。
ありがとう。#- 2009.11.19 Thu 00:38 URL [ Edit ] -
(120959) Posted by 名無しさん@お腹いっぱい。
※69-70
激しく同感#- 2009.12.20 Sun 23:08 URL [ Edit ] -
(121314) Posted by ( ゚д゚ )
俺は好きだな
駆け抜けた感がよい#- 2009.12.27 Sun 21:16 URL [ Edit ] -
(122898) Posted by ( ゚д゚ )
これおまいらの嫌いな恋空(笑)となんか違うの?#- 2010.01.24 Sun 18:01 URL [ Edit ]
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(124994) Posted by ( ゚д゚ )
>>>747 まじかそれwww
トシが敵グループの総長だと思った#- 2010.02.26 Fri 18:48 URL [ Edit ] -
(125064) Posted by ( ゚д゚ )
恋空ワロタwwwwwwww
なんもかわらんじゃんwwww#- 2010.03.03 Wed 22:34 URL [ Edit ]
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